
日本代表MF田中碧【写真:Getty Images】
サッカー日本代表対スウェーデン代表は1-1のドローに終わった。この結果、日本はラウンド32でFIFAワールドカップ(W杯)最多優勝国・ブラジルと当たることが決定したが、世紀の一戦を前に極めてポジティブな話題が出てきた。田中碧の超覚醒である。
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攻守に躍動した田中碧
怪我でW杯選外となった三笘薫の7番を継承した田中碧は、その重さを感じさせるどころか、チームを牽引する側に回った。
最も雄弁に語るのはスウェーデン戦のデュエルの数字だ。データサイト『FotMob』によれば、1対1の局面で9勝6敗——この9勝は両チーム最多である。しかもドリブル成功率は100%(3回中3回)で、単なる「潰し屋」ではなく、対人局面で攻守に圧倒的な信頼を置ける選手であることを証明した。
特筆すべきは、その矛先がヤシン・アヤリに向けられ続けたことだ。スウェーデンの攻撃の起点であり、ボールを持たせると局面を変えうる18番に対し、田中は予測と出足で先手を取り続けた。チームとして狙っていたボール奪取ポイントを、90分を通じて機能させた立役者である。
前半に相手バイタルエリア付近で仕掛けたプレスは日本の決定機に繋がりかけたが、惜しくもファウルの判定。そのワンシーンひとつ取っても、田中は攻守にわたって明確に意図を持っており、なおかつそれがチームを再三助けていた。
その上で、タッチ数も両チーム最多の「93」を記録しており、組み立ての局面でも至るところに顔を出した。ボールを受けてさばき、また受けに来る。その循環がチームの血流となり、攻守のテンポを支えた。
懸念があるとすれば、前半のハイドレーションタイムのあとに見せた、“自陣側”での動き。ハーフウェイラインをやや越えた日本側でボールを受けたアヤリに対し、若干プレスが遅れてしまった。
ブラジル戦では味方陣地に閉じ込められる展開も予想され、この点だけは反省したいところだ。それ以外はほぼパーフェクトだった。
三笘が抜けた穴は、ポジションでも個人でも埋められるものではない。だが田中は、7番という番号の意味を別の形で体現した。アタッカーとして喝采を浴びるのではなく、試合全体を動かすことで。スウェーデン戦の1-1という結果の裏側に、この男の90分が確かに宿っている。
日本のダブルボランチは鎌田大地と佐野海舟のペアが盤石に思われたが、ここへ来て川崎フロンターレで共に育った幼馴染の想いを背負う男が台頭してきた。
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