FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)・ラウンド32、オーストラリア代表対エジプト代表が現地時間3日に行われ、PK戦の末にエジプトが勝ち上がった。この結果により、アジア勢がラウンド16を前に全滅という不名誉な記録が残ってしまった。
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アジア勢全滅のイメージは悪い…
W杯は今大会から、出場国枠が従来の32→48ヵ国に増加。それに伴い、グループリーグ上位2チームに加え、3位チームのうち上位8チームも決勝トーナメントに進出できるというレギュレーションに変更された。
そのため、これまでスポットライトを浴びる機会が少なかったアジアの国にとってもチャンスと思われたが、結果として生き残ったのは日本代表とオーストラリアの2ヵ国だけ。ヨルダン代表、カタール代表、イラク代表、ウズベキスタン代表、サウジアラビア代表に関しては3位にすら入れず、正直、W杯で戦うだけのレベルになかったと言わざるを得ない。
イラン代表と韓国代表はグループ3位に入るも、上位8ヵ国には名を連ねられず敗退。彼らのグループはそれほど難しいものではなかったはずだが、勝ち残ることができなかった。シンプルに実力不足と評価するしかない。近年、アジアのレベルが上がったなどの声もあったが、それは間違った事実だった。
こうした事実もあり、日本のサッカーファンからは「アジア枠を減らすべき」との声が多数挙がっている。確かに、W杯でそれなりに戦えているのは日本、オーストラリア、韓国、イランくらいで、現在の「8.5枠」は多く感じる。4+1枠が妥当だろう。
とはいえ、今後アジア枠を減らすというのは現実的ではないだろう。FIFA(国際サッカー連盟)は、より多くの国にW杯出場のチャンスを与え、サッカーの普及につなげたいと考えたうえでの出場国枠増加であることを表明しているが、実際はビジネス面がかなり重視されているからだ。
人口の多い中国やインド、サッカー熱の高いタイやベトナム、オイルマネーで潤う中東勢がいるアジアは、マーケティングにおいて重要な地域になる。今やサッカーはエンタメの枠を超えて、巨大なビジネスと化した。そうした現代において、W杯にアジアの国が少ないという事態は、FIFAとしては出来る限り避けたいはずだ。
また、アジアの枠を減らして他の地域の枠を増やしたとしても、W杯に出場するに値する力を持つチームが出てくるとは限らず、必ずしも大会のレベルが上がるとは言い切れない。そもそも、ここに重点を置くならば、やはり32ヵ国開催に戻すのが唯一の策となるだろう。
ただ、日本代表視点で言うと、アジア枠は減ってくれた方がありがたいだろう。贅沢な悩みだが、出場国枠増加に伴い、W杯アジア予選の難易度がぐっと下がった。事実、北中米大会に向けた予選でも、森保ジャパンは楽々と突破を決めてしまった。
もちろん、日本代表が問題なくW杯出場を決めてくれることはありがたいが、少しばかりの緊張感やヒリヒリ感がなければ、注目度は高まっていかない。放映権料の高騰により、日本代表の試合を簡単に視聴できなくなった現代なら、なおさらだ。
今大会、アジア勢が早々に姿を消したことで「やっぱりアジアのレベルが低い」というイメージが一般のファンに、より焼き付いてしまった。これでは、日本代表VSアジア勢の戦いは、どうしても盛り上がっていかないだろう。
それだけ日本代表が強くなったという証拠でもあるが、アジア全体のレベルが上がっていかなければ、日本代表がブラジル代表のようなトップ・オブ・トップの壁を超えることはない。
(文:小澤祐作)
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