
パラグアイ代表対フランス代表の模様【写真:Getty Images】
優勝候補相手に守り抜くか、それとも主導権を握りにいくか。北中米W杯では、格上と対峙した中堅国の”守備の設計”が明暗を分けている。ラウンド16でフランス代表と戦ったパラグアイ代表は5バックを敷いたが、後半のPK1点に泣いた。守備から攻撃に転じられなかった構図は、ラウンド32でブラジル代表に競り負けた日本代表にも重なる。
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トップオブトップ打倒のために
2026 FIFAワールドカップ(北中米W杯)ラウンド16、パラグアイは5-4-1という布陣で優勝候補フランスに挑んだ。
立ち上がりから5バックで守備を固め、ボールを握られる時間が続いたが、GKオルランド・ヒルを中心に集中した守備で粘り強く耐えた。
後半に入っても我慢比べは続き、マヌ・コネがペナルティエリア手前からシュートを放つと、ここもヒルがセーブ。だが結局は70分、キリアン・エムバペにPKを決められ0-1で敗れ、4大会ぶりのベスト8進出はならなかった。
この構図は、ラウンド32でブラジルを前に散った日本の姿と重なる。森保一監督は冨安健洋、佐野海舟、伊東純也をスタートから起用し、3-4-2-1の布陣で臨んだ。日本は序盤から陣形をコンパクトに保ち前線から果敢にプレスをかけ、29分に佐野がショートカウンターからゴールを決めて先制した。
しかし後半は立ち上がりからブラジルに自陣深くまで押し込まれ、56分にカゼミロのヘディングで追いつかれると、後半アディショナルタイムにガブリエウ・マルティネッリへ勝ち越しゴールを許した。
両者に共通するのは、「守り切る」ことと「主導権を握る」ことの間にある微妙な塩梅だ。守備を固めれば失点は減らせるが、押し込まれ続ける時間が長くなるほど、集中力とスタミナは削られ、たった一度の隙が命取りになる。
パラグアイのPK献上も、日本の終盤失点も、その”耐え続けた末のほころび”という点で本質は同じだった。フランスを相手にした南米のチームで言えば、フリオ・エンシソが負傷によりピッチを退いたあとは、前に運べる選手がミゲル・アルミロンしか残っていなかった。
伊東を先発で使ってしまった日本も、途中出場からキャリーできる選手がおらず、最終ラインを押し上げられず引いてしまった。
格上との90分間、守り倒すだけでは決定的な差を覆せない。ボールを持つ時間、あるいは意図的に主導権を握る局面を自ら作れなければ、トップオブトップの壁は越えられないのではないか。それが今大会、中堅国が改めて突きつけられた宿題だと言える。
ただ、パラグアイ対フランスの一戦では希望も見えた。最後の十数分、1点を取りに行く南米のチームはより高い位置でプレッシャーをかけ、アルミロンのほか2人の選手が前線で踏ん張るシーンが散見された。
こうした場面を増やせれば、あるいは失点より前の段階でもっと断続的に前に出られていれば、もうワンチャンス作れたかもしれない。
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【了】
