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「今、もう一回できないな…」なでしこジャパン、長谷川唯が初著書で気づいた“努力”の意味。澤穂希氏との共通点とは

text by 竹中愛美 photo by Editor
『ジュニア版 夢をかなえる。』×『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』のダブル刊行記念トークショー&サイン会に登壇した長谷川唯と澤穂希

『ジュニア版 夢をかなえる。』×『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』のダブル刊行記念トークショー&サイン会に登壇した長谷川唯(左)と澤穂希(右)【写真:編集部】



 初めての著書は、自分自身を見つめ直す時間にもなった。7月10日に『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』を発売したなでしこジャパン(日本女子代表)の長谷川唯は11日、元なでしこジャパンの澤穂希氏と刊行記念トークショーに登壇。本を書く過程で初めて気づいた「努力」の意味、そして2人に共通するポジティブな思考法について語り合った。

初めての著書で気づいた“あの頃の努力”

 長谷川唯にとって初めての著書は、自身のサッカー人生を振り返る貴重な時間になった。

 出版の話を聞いた当初は「正直、出せるのかな?」という思いもあったという。

「子どもの頃とかも、めちゃくちゃ考えてやっていたかと言われたら、たぶん感覚でやっていたと思う。けど、こうやって振り返る機会をもらって初めて自分の考えがちゃんと整理されたというか、意外といろんなことがあったなと思います」

 隣で話を聞いていた澤穂希氏も、「良いきっかけだったね。自分とも向き合えるというか」とうなずく。

 長谷川も改めて当時を思い返した。

「中学生とかの頃の話もさせてもらったんですけど、その当時は何も考えずにひたすらやっていたなと思う。けど、今考えたら、それって努力だったなとか。今、もう一回できないなとか」

 すると、長谷川が日テレ・メニーナ(現在の日テレ・東京ヴェルディメニーナ)時代から、その成長を間近で見守ってきた澤氏は、当時を懐かしそうに振り返った。

「めちゃくちゃ走っていた!グラウンドで見ていたけど、いっつも先頭を切って走っていた」

 その言葉に長谷川も笑顔を見せながら続けた。

「すごく怒られて、今では本当に感謝しています。その頃の怒られる経験と走りがなかったら今の自分はないなと思うくらい、大切なことだったんだなって思う」

 何気なく過ごしていた日々が、振り返れば自分をつくった「努力」だった。本を書くことは、長谷川にとって過去を言葉にするだけでなく、その価値を再確認する時間でもあった。

 著書のタイトル『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』には、長谷川らしい考え方が込められている。

著書から見えた長谷川唯と澤穂希氏の共通点とは?

『ジュニア版 夢をかなえる。』×『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』のダブル刊行記念トークショー&サイン会に登壇した長谷川唯と澤穂希

なでしこジャパンの長谷川唯(左)と澤穂希氏(右)【写真:編集部】


「意識して楽しんでいるとか、笑っているというより、本当に自然に笑顔になることが多くて、楽しいことが大好きで、あんまりネガティブな感情がないというか、普段から楽しいことばっかりして過ごしているので。それが一番自分らしいかなと思って、このタイトルに決定しました」

 トークショーでは、司会者から「2冊を読んで共通していたのはポジティブ思考」と話題を振られる場面もあった。

 長谷川は「落ち込むことがほぼない」と笑いながら、試合後の切り替え方を明かす。

「良くなかったことは例えば、プレーだったら、一回振り返って、自分で思ったのと映像が一致していたら『あっ、オッケー』って思う。そこからは良い映像ばかりずっと見ています」

 一方の澤氏も「私の性格的にもちろんポジティブなんですけど、忘れっぽいんですよね」と笑い、「どうしたら次に失敗しないか、楽しいことをイメージすることの方が多い」と、自身も前向きな思考を大切にしていると語った。

 さらにワールドカップのような大舞台でも、2人の考え方は共通していた。

 長谷川は「ワールドカップに向けてというよりは本当に1試合1試合、クラブでの試合も含めてやってきているので、どんな舞台でもやらなきゃいけないことは変わらない」と話し、澤氏も「もちろん緊張するんだけど、それも良い意味で良い具合の緊張感に持っていって、こんな素晴らしい機会を与えてもらったことにまず感謝して、楽しんじゃおうって」と振り返る。

 初めての著書は、長谷川が自分の歩みを振り返るきっかけとなった。そして、改めて見つめ直したのは、「努力」の積み重ねと、どんな状況でも前を向き続ける自分らしい思考だった。その姿勢は、世界最高峰の舞台に立ち続ける今も変わっていない。

(取材・文:竹中愛美)

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