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コラム 17時間前

「本当にできるのって日本だけだな」長谷川唯がなでしこジャパンで見据えるW杯「世界と戦えるチャンスは十分にある」【単独インタビュー後編】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images

なでしこジャパン 長谷川唯

なでしこジャパンの長谷川唯【写真:Getty Images】



 イングランド女子1部リーグ(WSL)のマンチェスター・シティWFCで10季ぶりのリーグ優勝に貢献した長谷川唯。なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)でもチームの顔として、卓越したテクニックはさることながら、豊富な運動量とゲームを読む力で攻守にわたって牽引している。リーグ優勝後初の取材で、今の代表や、およそ1年後に迫ったFIFA女子ワールドカップへの思いを聞いた。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ]

【単独インタビュー/取材日:5月20日】 

「自分も予想してなかったことが次々にすごく起きた」

なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)

なでしこジャパンはAFC女子アジアカップ2026で2大会ぶり3度目の優勝を果たした【写真:Getty Images】


 今年のなでしこジャパンはめまぐるしい。

 これは、筆者が抱く印象だ。

 今年3月に行われたAFC女子アジアカップ2026では、開催国のオーストラリア女子代表を接戦の末に下し、2大会ぶり3度目の優勝を果たした。

 6試合で6勝、29得点1失点。無傷の6連勝でFIFA女子ワールドカップ(W杯)の出場権を手にし、順風満帆にみえた。

 ところが、そのわずか12日後。なでしこジャパン初の外国人監督、ニルス・ニールセン監督の退任が発表された。

 4月のアメリカ遠征は狩野倫久コーチが監督代行として指揮を執り、5月14日に昇格という形で正式に監督に就任することが決まった。

 昨年5月にキャプテンに任命された長谷川唯も驚きを隠さなかったが、起きたことは起きたこととして切り替えようとしている。

「自分も予想してなかったことが次々にすごく起きたという感じなので。でも、選手としてはそこを選ぶ権利はないというか、どうしたいというのが通るわけでもないですし、与えられた状況でどうにかするしかないなと思う。

 監督が退任になったこととかは、もう終わった話というか。次に切り替えて、本当にワールドカップまで1年しかない状況で選手たちができることをやるだけだなというのが正直なところです」

 率直な思いを明かしたうえで、自身がなでしこジャパンですべきことにも言及した。

「もちろん、難しさはありますけど、今までやってきたことが全部無駄だったというわけでもない。選手たちは今までもできている選手が多いです。これからメンバーがどうなっていくかわからないですけど、そこまで大きく、半分以上が変わるということはないと思う。

 今までやってきたものを活かしつつ、プラスアルファでこの1年で積み上げられれば、全然チャンスはあると思っているので、そこに向けて自分のリーダーシップを発揮して、頑張っていきたいなと思います」

長谷川唯が思う今のなでしこジャパンの強みと課題

なでしこジャパン 長谷川唯

アメリカ女子代表との親善試合でプレーする長谷川唯【写真:Getty Images】


 直近の代表活動は4月に行われたアメリカ女子代表との3連戦に遡る。個の力で上回られ、フィジカル面でも優位に立つアメリカを相手に1勝2敗。力の差を痛感させられる内容だった。

「1試合目、2試合目で選手が結構変わったり、アメリカはアメリカでしたけど、全然違うチームみたいな感覚でもあった。だけど、やっぱり圧倒的に個の力がアメリカと比べたら足りなかったのかなと思う」

 W杯まではおよそ1年1カ月。再び世界の頂点を目指すにはアメリカのような強豪国を倒さなければならない。

 長谷川自身、今のなでしこジャパンの強みと課題をどのように受け止めているのだろうか。

「今までの日本選手よりも身体能力のところが底上げされているのはポジティブなこと」だと強みについて、おもむろに話し始めた。

「いつもの日本だったら、プラス1を作って守備をずっとしなきゃいけなかったところで、海外でやっている選手が多い分、しっかり1対1でも対応できる部分も増えてきて、前からプレスではめていくオプションはひとつ増えたと思うので、すごくポジティブかなと思う」

 一方で課題に挙げたのがビルドアップの部分。短い代表期間の中で、ゼロから積み上げることは難しいだろう。なおかつ、それぞれが所属クラブで異なるサッカーを展開するとなれば。

「日本の選手は味方を助けてなんぼだと思っているので、ボールを受けたくないような選手がいると、本当にチーム全体が回らないと思います。ボールを受けるためのポジショニングを取る速度とか、そういう細かいところをもっと突き詰めていければ、全然世界と戦えるチャンスは十分にあると思う。

 今までもそうでしたけど、自分自身そういうところをどんどん伝えながらやっていければ、1年後、世界と戦えるんじゃないかなとは思っています」

 表立ってすることはないのかもしれないが、長谷川の言葉の端々から、なでしこジャパンを引っ張っていこうとする自覚のようなものを感じた。

 キャプテンを務めてきた中で何か変化はあったのだろうか。

長谷川唯のキャプテン像「まあ、あんまり向いてないというか」

なでしこジャパンMF長谷川唯

昨年5月になでしこジャパンのキャプテンに任命された長谷川唯【写真:Getty Images】


「あんまり意識的に何か変えたというのはないので、キャプテンだからというよりは年齢とともに、相手がどう思っているのかを聞くのは増えてはいると思います」と特別に何かをしているわけではないという。

 むしろ、「まあ、あんまり向いてないというか。自分自身はキャプテンという、いわゆるチームのまとめ役みたいな感じのタイプでもなくて」とぶっちゃける。

「プレー中はいろんな意見を出したりはしますけど、それを逆にまとめる役は他の人がやるイメージ。今キャプテンをやっていて、少しはまとめられるようになってきたかなとは思うんですけど、ずっとキャプテンをやっていた(熊谷)紗希ちゃんとか、周りには本当にいろんな選手がいる。

 他にもコミュニケーションを取れるのがうまい選手もいたりするので、良い役割分担はできている。本当にピッチ上で引っ張っていくのが自分には合っているのかなと思います」

 先日の南アフリカ女子代表メンバー発表の際に、狩野監督はキャプテンについて「現時点で決めていない」と発言していたので、長谷川が今後も継続するのかはわからないが、どんな形であれ、長谷川がチームを牽引していくことには変わりはないだろう。

 W杯まで残り1年ちょっと。限られた時間の中でどこまで積み上げを図ることができるのか。長谷川はW杯で勝ち上がっていくためにまず、サッカーにおいて最低限やらなければならないことについて触れた。

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