
なでしこジャパンの熊谷紗希【写真:編集部】
なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)の熊谷紗希が代表理事を務める一般社団法人なでしこケア(なでケア)が7月14日、東京都内で熊谷自身がプロデュースする次世代育成プロジェクト「SAKI KUMAGAI WORLD CHALLENGE 2026 LONDON」の実施報告を行った。ゲストの浜野まいかとともに、次世代への熱い思いを語ったほか、来年に迫るFIFA女子ワールドカップを「最後のワールドカップ」と位置付け、「集大成としての覚悟を持って臨みたい」と決意を口にした。
「世界を体感してもらって」U-12の4選手がロンドンへ
なでしこケア(なでケア)は「サッカーを通じて、女性が、誰もが輝ける社会へ」をミッションに掲げる選手発信のプロジェクト。
今回の報告会では、熊谷紗希がプロデュースする新プロジェクト「SAKI KUMAGAI WORLD CHALLENGE 2026 LONDON」で今年3月から4月にかけて実施したロンドン留学を振り返った。
同プロジェクトは、日本の女子サッカーの未来を担う子どもたちに世界を体感するチャンスを提供し、未来の女子サッカーを牽引する次世代のリーダーを育成することを目的にスタート。
国内選考を通過したU-12の選手4名が約10日間ロンドンに滞在し、アーセナルのアカデミーでトレーニングを行ったほか、ホームステイやイングランドでプレーする日本人選手との交流を通じて、競技面だけでなく異文化にも触れた。
なでケア理事を務める元なでしこジャパンの大滝麻未氏は、団体設立から約7年を振り返り、「海外で得た経験や思いを自分たちのものだけじゃなくて、次世代の選手にしっかりつなげていくことが私たちの夢となりました」と説明。
「今回、FIFAの後押しが本当に大きかった。これをきっかけに、なでケアとしても継続的に活動できる体制を整えていきたい」と今後を見据えた。
第2回以降については、地方在住の選手も参加しやすいように地域予選の導入を検討しており、「今後はパートナーを見つけながらやっていきたい」と話し、アーセナルとの連携を続けていく考えも示した。
熊谷は「日本の女子サッカーは小学生から中学生に上がるタイミングですごく競技を続けるか悩む時期というか、環境も含めてすごく競技人口が減ってしまう」という課題を指摘し、「U-12の世代の子達に世界を体感してもらって、いろんな環境や可能性があることを知ってほしいなって、それが一番の思いでできた」と本プロジェクト誕生の経緯を語る。
選考では大人がベンチに入らず、選手同士で判断しながらプレーする4人制サッカーの4v4を導入したこともあり、プレーだけではなく、自主性やコミュニケーション能力も重視したという。
熊谷紗希、来年の女子W杯は「自分のサッカー選手としての集大成」

熊谷は「(4v4の特徴でもある)ベンチに大人が入らない分、もちろんサッカーの技術は一番に来るんですけど、それ以外にも、どういう声掛けをチームでしているか、チームが苦しいときにどういう行動をして、どういう声を掛けているかも見ていました」と説明した。
トークセッションには、チェルシーに所属する浜野まいかも参加。実際にロンドンで子どもたちと交流した経験を振り返り、「12歳で海外を経験できるのは本当にうらやましい。サッカーを続けるにあたっても続けないにあたっても、人生において本当に貴重な経験になったんじゃないかなと思う」と語り、次世代への期待を寄せた。
一方で、自身の競技人生について質問を受けた熊谷は、FIFA女子ワールドカップ(女子W杯)について「最後のワールドカップというか、最後の挑戦というところに繋がるとは本当に思っている」と明言した。
「自分のサッカー選手としての集大成としての覚悟を持って、次のW杯には臨みたい。優勝してというところは覚悟を持って言葉に出しているので、とにかくW杯に向けて良い準備をするだけかなと思っています」
さらに、現在開催中のFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)にも触れ、「決勝トーナメントに入ってからが本当の勝負だなっていう言い方が合っているかわからないですけど、自分自身が4大会を経験して思うこと」と前置きしたうえでこう語った。
「負けたら終わりっていうところからの勝負強さは我々の弱さというか、課題でもあるのかなと思うので、そこをいかに勝ち切れるかだったりというところをしっかりやっていきたいなと思っています」
(取材・文:竹中愛美)
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