UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長【写真:Getty Images】
欧州サッカー連盟(UEFA)が、国際サッカー連盟(FIFA)の新たな商業構想に対抗するため、加盟する55協会を緊急招集した。英紙『ガーディアン』によると、会議は現地時間30日午後に開かれ、欧州としての対応を協議する。
FIFAの“W杯事業売却”に対抗
発端は、FIFAが男子・女子ワールドカップ(W杯)、クラブW杯などの商業権と大会運営を、新会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」へ集約する構想を発表したことだ。
新会社を約200億ドル(約3兆3000億円)と評価し、外部投資家へ経営権を伴わない少数持分を最大20%売却。最大42億ドルを調達し、加盟協会への開発資金を増やす計画で、FIFAは競技面や国際試合カレンダー、規則などの決定権を維持すると説明している。
なお、英紙『フィナンシャル・タイムズ』によると、FIFAは米金融大手JPモルガンと計画を進め、投資ファンド「Thrive Eternal」と投資主導に向けた協議を行っている。この同ファンドを立ち上げたジョシュア・クシュナー氏は、ドナルド・トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏の弟だ。
しかし、UEFAは事前協議や透明性が欠けているとして、「サッカーの魂と統治は取引する資産ではない」と猛反発。FIFAが各協会に対し、最大2000万ドルの一時資金を申請するか9月19日までに判断するよう求めたことにも、「FIFAは私たちのスポーツを利用して、自分たちや友人を富ませ続けることはできない」と批判を強めた。
UEFAの反対姿勢には、北中米カリブ海サッカー連盟(Concacaf)とアジアサッカー連盟(AFC)も同調。両連盟は、重要な計画を事前に知らされなかったとして、FIFAの意思決定手続きや情報開示の不足を問題視した。
3連盟でFIFA加盟211協会のうち143協会を占めるため、足並みがそろえば計画を阻止できる可能性がある。一方、チェコ協会は欧州で初めて支持を表明しており、一枚岩とは限らない。
対抗策としては、FIFA大会のボイコットも選択肢に浮上している。直近の主要大会である2027年女子W杯の不参加案も予備的な協議で言及されたが、男子W杯やクラブW杯の収益化を巡る争いによって、女子サッカーを犠牲にすべきではないとの慎重論も出ている。
現時点でボイコットは正式決定ではなく、55協会がどこまで強硬姿勢で一致するかが焦点となる。
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