シント=トロイデンVVの谷口彰悟【写真:©STVV】
ベルギー1部のシント=トロイデンVVで今季もプレーすることを決めた日本代表DF谷口彰悟が、欧州に残る決断に至った理由を明かした。35歳を迎えた今も「まだまだヨーロッパでやれることがある」と語る谷口は、昨季、自らも獲得に貢献したUEFAヨーロッパリーグ(EL)プレーオフという新たな舞台に魅力を感じ、残留を決断。現地時間8月20日のオモニア戦では劇的な決勝ゴールを挙げ、チームの先勝に貢献している。
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「自分の中でも選択肢はいろいろあったんですけど」。谷口彰悟が欧州残留を決めた理由
シント=トロイデンVVは2025/26シーズンのベルギー1部リーグを3位で終え、クラブ史上初となるUEFAヨーロッパリーグ(EL)プレーオフ出場権を獲得した。その立役者の一人だった谷口彰悟は、今夏で契約満了となっていたが、新シーズンもシント=トロイデンでプレーすることを決断した。
8月17日に行われたシーズン始動記者会見で、谷口は再契約に至った経緯を明かしている。
「自分自身もワールドカップ(W杯)という大きな大会を終えた後で、どうしようかというところをいろいろ考えましたけど、まずシント=トロイデンが今シーズン、ヨーロッパのコンペティションに参加できる権利を持っている。去年、自分も戦って、その権利を獲得したというところで、やっぱりヨーロッパの舞台でもう1回やりたいという思いになりました」
昨季、自らも戦って手にした欧州への挑戦権。そこには、35歳の谷口にとっても新たな魅力があった。
「自分自身もそのヨーロッパの大会はもちろん、初めての経験になるので、そういった意味でまだまだ成長できる可能性を感じて、もう1回ここで戦おうという気持ちになりました」
実際に谷口は、現地時間8月20日に行われたELプレーオフ・ファーストレグのオモニア・ニコシア(キプロス)戦で劇的な決勝ゴールを記録。スコアレスのまま後半アディショナルタイムに入った一戦で、チームに1-0の勝利をもたらし、リーグフェーズ進出へ貴重なリードをもたらしている。
会見では、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)後に「喪失感」を覚え、次のキャリアについてすぐには考えられなかったことも明かしている。それでも時間をかけて自分自身と向き合う中で、欧州残留への思いが強くなった。
「自分の中でも選択肢はいろいろあったんですけど、自分が一番はどうしたいのか、何をやりたいのかというところを、自分に素直になって考えてみたときに、まだまだやっぱりヨーロッパでやれることがあるんじゃないかなって」
昨季、シント=トロイデンとして獲得したELプレーオフ出場権を「活かしたい」という気持ちも、決断を後押しした。
「正直、年齢は35になりますけど、まだまだできるなっていう手応えも感じていますし、まだまだチームの力になれるなというところ。そして、そのヨーロッパの舞台を経験して、まだ得るもの、成長できるものがあるんじゃないかっていう、そこに魅力を感じたというところが大きな決め手になりました」
谷口にとって、年齢や経験は欧州で戦い続ける理由を失わせるものではない。むしろ、初めて対戦する相手との駆け引きの中に、さらなる成長の余地を見いだしている。
「まだまだ自分の伸びしろがある」

「ディフェンダーとしては初めての相手とどう戦って、どう上回っていくかというのがすごく楽しいと思っているので、そういった意味では、まだまだ自分の伸びしろがあるというふうには感じています」
シント=トロイデンは昨季からの継続路線を基本としながら、新たな選手やスタッフを加えている。谷口自身も「チームとしての厚み」が増していると感じており、リーグ戦と欧州の大会を並行して戦う今季に大きな意欲を示す。
「相当ハードになると思いますし、相当覚悟を持って臨まないと、チームもそうだし、個人もそうだし、簡単に崩れやすいシチュエーションではあると思うので、その中でどう結果を残していけるかというのはすごく楽しみ」
若い選手にとっても、欧州の舞台は大きなチャンスになると考えている。
「そこで結果を残すと自分のサッカー人生を変えられる。それぐらいのチャンスだと思って戦ってほしい」
その言葉を自身も体現するように、谷口はELプレーオフの初戦で決勝ゴールを決めた。35歳のベテランDFは、ベルギーでの戦いだけではなく、欧州の舞台でさらなる成長を目指している。
そして、日本代表への思いも消えてはいない。
「サッカーを続ける以上は、僕は常に日本代表というものは意識したいと思っているし、目指したいというふうには思っています」
9月、10月の代表シリーズへの招集も「入りたい」と明言。ただし、4年後のW杯までを現時点で明確に見据えているわけではないという。
「年齢も年齢なので、そこを目指すことのもちろん、大変さもわかっていますし、目指すことによる充実感というか、それも間違いなくわかっているので(4年後を目指すとかは)言い切れない。ただ、まだまだできるという自信はあるので、目の前の活動を含めて、そこは常に意識してやっていきたい」
欧州に残ることを選び、その決断からおよそ1カ月後にはELプレーオフの舞台で結果を残した。谷口彰悟は35歳にしてなお、「まだまだやれる」という感覚を、新たな挑戦への原動力に変えている。
(取材・文:竹中愛美)
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