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Jリーグ 11年前

“FW遠藤”を成功に導いた宇佐美の巧みな動き。ガンバで見せる天才の進化に迫る

text by 下薗昌記 photo by Asuka Kudo / Football Channel

FW遠藤を活かすポジショニング

「貴史と僕のどちらかが孤立しないようにとだけ言われた。貴史のポジションを上手く見ながらやれた」という背番号7の存在によって、宇佐美はよりFWとしての動きに特化する。

「試合に出た時に誰と組むかで、スタイルを少し変えることも自分は出来る。ヤットさんと組んだなら僕はストライカーでやればいいし、将生(平井)とかロチャとなら、一つ下がってというスタイルに変えることも出来る。コンビを組む選手のスタイルを見ながら自分も色を変えて、やれればいい」

 口で言うのは簡単だが、先制点のきっかけになった相手ゴール前でのタメを作るプレーや、大森への絶妙のヒールパスなどトップの位置で周囲を活かし、更に勝負どころでは自らもフィニッシュはやはりその才あってのもの。監督の要求と自らの課題を確実に消化しながら、背番号39は進化中だ。

「FWとしての動きが少しずつ体にしみ込ませることが出来てきた。オンとオフ、両方で脅威になれるプレーを続けていきたい」

「ガンバの至宝」と呼ばれた男は今、確かな変貌を見せ始めている。

【了】

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