東日本大震災を乗り越えた遠藤翼。被災から掴んだ日本人初MLSドラフト1位

2016年01月26日(Tue)12時20分配信

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遠藤翼
トロントFCからドラフト1位指名を受けた遠藤翼【写真:Getty Images】

 今、アメリカのMLSでひとりの日本人が大きな注目を集めている。22歳の遠藤翼だ。日本代表はもちろん、Jリーグでのプレー経験がないため、日本での知名度は決して高くない。

 だが、トロントFCがスーパードラフトの一巡目で遠藤を指名したことで、話題を呼んだ。これは日本人選手にとって初の快挙でもある。

 福島県のJFAアカデミー出身の遠藤だが、2011年に人生の転機となる出来事が起きる。3月11日の東日本大震災だ。遠藤は、地元紙『トロント・サン』で当時を振り返っている。

「僕らがプレーしていた際、大きな地震が起きたんだ。非常に混乱したよ。みんなでセンターサークルの中心に集まって座った。少し待って、ジムに行った。そこで夜を明かしたよ」

 また、震災の影響で福島を離れたことも明かしている。

「放射能が広がってきたから、引っ越さなければならなかった。辛かったよ。僕にとって悲惨な瞬間だった。そこに住むのが大好きだったからね。震災で全てが変わった。新しい環境に慣れる必要があったから」

 遠藤はその後、ワシントンD.Cにあるメリーランド大学に進学。そこでのプレーを経て、MLSのクラブとのプロ契約をするにまで至った。

 トロントFCのグレッグ・ヴァニー監督は、「彼はワイドのポジションでプレーする。少しデイビッド・ベッカムのようだね」と高い期待を寄せている。

 カナダに本拠地を置くトロントCには、イタリア代表FWセバスティアン・ジョビンコやアメリカ代表MFマイケル・ブラッドリーなど欧州のビッグクラブでのプレー経験もある選手とともにプレーすることになる。

「今の心境を言葉に表すのは難しいよ。でも、そんなに心配はしていない。今までサッカーに集中し、常に上手くなるように心がけてきたからね」

 遠藤はそう力強く語った。被災から5年、ひとりの日本人選手が異国の地カナダで新たな挑戦を始めようとしている。

【了】

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