柏レイソル・田中順也が語るFWの個人戦術『インテリジェント・ストライカーの戦術眼』(後編)

2012年12月23日(Sun)14時52分配信

text by 川本梅花 photo Kenzaburo Matsuoka
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田中順也が見据える近未来のFW像

――監督に言われたことで印象的な言葉は?

「いっぱいあるんですよね。最近言われたのは、ちょっと調子が落ちたときに、『どうしたんだ?』と聞かれて、『自分でも調子悪いと思うんですけど。感覚の少しのズレなのでどうにかコンディションを上げたいです』と言ったら、『普段の生活はどうしているのか』『睡眠時間はどれくらいとっているのか』『食事はどうしている』『そうした細かいところから改善していけ』と言われたんです。

 最後に、『Jリーグで12点とれる選手はそうはいない。私は、お前を試合で使いたいんだからな。でも練習でコンディションが上がらないと使わない。だから早く上げろ』と話されて。『ああ、僕のことを使いたいと思ってくれているんだな。僕はすごく信頼されているんだ』という気持ちが伝わって嬉しかった」

――いまチームは優勝争いをしていますよね。ミーティングではそれに関して何か話されました?

「はい。『周りの人からは“優勝経験者がいないし、若手が試合に出ているから難しい”と言われるけれども、私は自信を持って言える。今の若手には、そんなメンタルの弱い人間なんかはいない。この2年間で、勝利のメンタリティを叩き込んできた。君たちは優勝するに値する経験をいままで積んできている。自信をもって“優勝できる”と私は答えているから、お前たちもがんばれ』と」

――「FWとしての戦術論」というテーマでここまで話してもらったんですが、田中選手はFWの仕事がどのように進化していくと思います?

「今の時代はFWが相当に守備をしないとダメだと思うんです。たとえば、うちのFWや仙台のFW、特に赤嶺(真吾)さんはものすごく守備をします。だからFWの守備が機能したときにはチームの失点も少ない。それくらいFWが守備に関与してくるのがスタンダードになってくる。

 特に、優勝争いをしていく上でFWの守備力が重要になってくる。FWが下がって相手のボランチをケアして、味方のボランチがボールを奪ったら、そこから速いカウンターをどれだけ決められるかという戦術がポイントになる。だから攻守や守攻の局面で、運動量が豊富なFWが大事になってくると思うんです」

【了】

初出:サッカー批評issue53

プロフィール

田中順也
1987年、東京都出身。三菱養和SCユースを経て、順天堂大学へ進学。在学中の2009年、特別指定選手として柏レイソルに加入。2011シーズンは第30節終了時点でチームトップとなる12得点をあげ、優勝争いを続けるレイソルを牽引した。

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