柏レイソル・田中順也が語るFWの個人戦術『インテリジェント・ストライカーの戦術眼』(後編)

近年複雑化する戦術を機能させるには「インテリジェンス」が選手に求められる。監督の理論を深く理解し、それを自分のプレーと結びつけなければならない。柏レイソルのFW田中順也はそれができる選手の1人だ。智将ネルシーニョの練りに練られた戦術をピッチ上で体現するインテリジェント・ストライカーに話を聞き、その類稀なる戦術眼に迫った。

2012年12月23日(Sun)14時52分配信

text by 川本梅花 photo Kenzaburo Matsuoka
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田中順也【写真:松岡健三郎】

【前編はこちらから】 | 【サッカー批評issue53】掲載

攻撃時に基本となる三角形のパス交換での役割

――田中選手はペナルティエリア内の密集地帯でも相手のDFのマークを一瞬で外してシュートするのがうまいと思う。たとえば川崎戦(2011年・J1第24節3-2)のゴールですよね。相手のプレッシャーを外すときの体の使い方とか相手への目線をどこに置くのかを教えてくれますか?

「調子がいいときは、無駄に動きすぎないで、なるべく止まっていられます。最初は、ペナルティエリアの近くとか、なるべくペナルティエリアの幅から出ないところに位置取りをしているんです。ペナルティエリアから出ちゃうと、『そこでボールをもらっても意味がない。ボランチの横でもらっても意味がない』と監督からもそう言われているんです。

 なるべく動かないようにしていると、僕をマークする相手の選手がいるので、その選手を意識しながらパッと顔を上げた瞬間にちょっと位置をズラします。その瞬間にちょっと間が空くんです。そのときに相手から遠い方の足でボールをもらえれば相手が寄せられない。

 うちはパスを出す選手とパスを受ける選手ともう1人の選手が基本的に三角形を作っているんです。だから、パスを出してくれた人に一度ボールを落としたり、三角形のもう1人の選手にパスを出します。タイミングが合わないときには、相手に取られちゃうんですけど、なるべくタイミングを合わせるようにしてパスを出す。三角形を使ってパス交換をすると、狭いエリアのところでもうまくボールがもらえます。

 たとえば、僕に縦パスがきた場合に、パスを出した選手ではなく、三角形のもう1人の選手がレアンドロだったときは、彼にパスを出してワン・ツーで相手を抜くことができます。三角形のバランスを崩さないようにすることがチームとしては大事なことで、それができているときは、相手のマーカーからちょっとズレて動くだけでスムーズに外すことができます」

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