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松田直樹という生き方 ~第1回 トリコロール以外のユニフォームは着ないでくれ~

text by 宇都宮徹壱 photo by Tetsuichi Utsunomiya

クラブ側の事情は理解できていない


――具体的に「あそこがいい」というのは?

松田 いや、16年ここでやってきて、他がどういいというのは分からないんですよ。どこなら自分が合うというのも分からなくて。

――つまり、他の色のユニフォームを着ている姿がイメージがないと?

松田 まったくないですね。それがいいことなのか悪いことなのかは分からないですけど。想像がつかないですね。

――一口で16シーズンといっても、18歳からずっとひとつのところでプレーしているわけですからね。今、シャルケにいるラウルが、レアル・マドリーでプレーしたのが16シーズン。それと、この間クラブワールドカップで優勝したインテルのサネッティも、今季で16シーズン目ですから、それと同じくらい重みがあるわけです。ちなみに松田さんの在籍中に、のべ15人の監督が指揮しているんですね。ご存じでしたか?

松田 今聞いて、初めて知りました(笑)。そんなに代わっているんだ。そう考えると、西野さん(朗=ガンバ大阪監督)はすごいですよね。

――これだけ長く在籍していたわけですから、思い出も多いと思います。退団するにあたって、過去を振り返ったりしますか?

松田 それはないですね。この先、どうしようという気持ちの方が強いので、過去がどうこうというのはない。振り返っても、何かを得られるわけではないし。

――では、クラブ側の事情は理解できました?

松田 ぜんぜんできてないです(笑)。残念ながら。そんなに話していないですし、切られた理由についても。

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