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長友佑都 11年前

右サイド・長友佑都に求められる仕掛けの意識

27日、セリエAの第22節、インテル対トリノの一戦が行われ、2-2の引き分けに終わった。長友佑都は先発フル出場を果たしたが、本来の動きにほど遠く、厳しい声も寄せられた。今後の彼の課題とは?

text by 神尾光臣 photo by Kazuhito Yamada

左サイドハーフで先発するが、シュートチャンスを演出できず

 長友の成長は著しく、それはミラノのファンの間でも認められていることである。現に今季は、サン・シーロで彼のプレイに対する落胆の声やブーイングを殆どきくことがなかった。

 ただ、27日のホーム・トリノ戦では違った。故障から復帰後はじめてフル出場を果たすも、ゴールに結びつくチャンスを作ることが出来ず、ミスのたびにサン・シーロのスタンドからはため息が漏れていた。久々のことだった。


右サイドで苦戦した長友【写真:山田一仁】

 この日長友に求められたタスクは、明確に『攻撃』だった。スタート時のポジションは左アウトサイドだったが、機能上は3バックシステムのウイングバックではなかった。両サイドのウイングハーフを極端に高い位置に張らせ、4-2-4というシステムで戦うトリノに対し、ストラマッチョーニ監督は最終ラインの枚数を4に保つ選択をした。

 右のサネッティが下がり、3バックがそのまま左にスライドする形でラインを埋める。左サイドの裏はファン・ジェズスがケアし、従って実質上、長友は4-4-2のウイングハーフの役目を要求されていた。

 それに全力で応えようという志は十分見てとれた。4分、左サイドの高い位置でボールを受けると、縦を突破して左足でクロス。ファーのパラシオが競ってこぼれたボールにグアリンが喰らいつき、エリア手前でFKを獲得。これがキブの先制点につながった。

 その後も長友は、盛んに左サイドへボールを呼び込んで仕掛けた。対面のSBに1対1を仕掛け、鋭いクロスからクリアを誘い、CKをゲットした場面も前半だけで3度あった。ただ厳しい言い方をすれば、チャンスの量の割には味方のシュートチャンスにつながらない。

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