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2013シーズンのJリーグを占う。各クラブの戦力補強診断 ~川崎フロンターレ編~

2013年02月01日(金)17時37分配信

text by 森哲也 photo Kenzaburo Matsuoka
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独自の攻撃的なスタイルを築く

「川崎フロンターレの色となる、ここにしかできない攻撃的なスタイルを築いて欲しい」。強い覚悟をもった庄子強化部長から熱烈なオファーを受け、昨シーズン途中の4月から監督に就任した風間八宏。独特の言葉と指導法でまずは選手の意識と発想を変えることに主眼を置き、1人ひとりの技術・戦術の最大値を引き出しながら、最終的にはそれをチームの結果=勝利に結びつけようとしているように見えた昨シーズンは、終盤にチームの形を見出しながらも8位でリーグ戦を終えた。

 とくにチームとしての成長と課題が顕著に見えたのは12月15日に行われた天皇杯4回戦の大宮戦だった。前半はほぼ圧倒して試合を支配し、面白いような崩しで3得点。このままワンサイドゲームかと思われたが、後半は相手の総攻撃をいなしきれず衝撃的な逆転負けを喫した。

 攻撃面では中央、サイドと多彩な崩しが見られ、時折繰り出される流麗なパスワークは観客のため息を誘った。また、攻守両面で同じ絵が描けるようになってきたことで、簡単には負けないチームにはなってきたが、まだ相手ボールになったときに弱みを見せてしまうシーンも散見された。

 中盤の空けてはいけない場所を空けてしまったり、相手のパワーをいなすことができず、サイドからのクロスで崩されたり、というのはシーズンを通して見られた課題で、そこは解消しきれていない。また少し間の空いた実戦で勢いよく攻め過ぎたのか、後半に足が止まる選手がいたようにハードワークを効率的に持続できるかもひとつのポイントになる。

 究極はできるだけ長くゲームを支配し続けることにあると思うが、昨シーズンを見る限り、まだまだ選手たち全員がそこまでの技術・メンタリティを発揮できてはいなかった。

 決めるべきときに決める、というのはもちろん、守勢に回る時間をいかに少なくするか、そして守勢に回ってしまったときに乱れないか、つまりどれだけボールを持ちながらゲームをコントロールできるか、というのは上位を狙う上で積み上げていかないといけない部分のはずだ。

 今季の補強は限られた予算の中でそうした弱点を補いつつ上積みを狙った即戦力を効果的に揃えているようには見える。補強のキーワードのひとつは「戦える選手」ではないだろうか。昨シーズンは高い技術を見せながらも、メンタルが安定せずややナイーブに映る選手もいた。『2012 Jリーグアウォーズ』でフェアプレー賞を受賞した川崎フロンターレだが、球際などでクリーンにファイトする部分がもっとあってもいいはずだ。

 そうした点で、コンサドーレ札幌から加入の山本真希やガンバ大阪から加入の中澤聡太、ヴィッセル神戸から加入の大久保嘉人などは、基本的な技術の高さを備えるだけでなく、闘志を前面に出してチームを鼓舞できそうな選手たちではある。

 また「相手との駆け引き」「素早く的確な判断」が現在のフロンターレでは高いレベルで求められるが、彼ら3人の豊富な経験値はチームの底上げにつながるかもしれない。

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