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移籍期間終了。今から海外組になるには…

来る2月8日から10日にかけてラトビアのクラブ、FKアウダのセレクションが日本で開催される。合格すれば“海外組”となることができる。現地は恵まれた環境とは言えないが、ヨーロッパのクラブであるためステップアップすることが可能だ。セレクションをプロデュースするジャーナリストの森本高史氏に話を聞いた。

text by 編集部

FKアウダとはどのようなクラブなのか?

――なぜこのようなセレクションをプロデュースしようと思ったのですか?

 デレン墨田が2011年6月にスウェーデン遠征を行った際に、FKアウダユースが来ていまして。そこで、幹部とフットボールトークで意気投合したんですよ。ヨーロッパではラトビアはまだ結果を残せてないので、今後に向けて頑張るFKアウダの一助となりたいと強く思いました。

 ラトビアは、東ヨーロッパに位置する人口200万人程度の小国です。苦しい経済状況下にあります。サッカーの人気はそれほど高くなく、バスケットボールやアイスホッケーが絶大な人気を誇っているので、サッカークラブの経営は非常に難しいんです。

 それゆえ、ラトビアのクラブの多くは、ユース育成を行えない。しかし、FKアウダは、子供たちにサッカーを楽しんでもらうことがラトビアサッカーの発展と捉えているので、積極的にユース育成を行っている。デレン墨田の理念と共通するものがあって、スウェーデン遠征で会ったのも何かの縁だと思います。

――ラトビアでプレーする日本人も多くいると伺ったのですが?

 そうですね。ラトビアでは、この2、3年数多くの日本人選手がプレーしてきました。小澤竜己(元FC東京など)、赤星貴文(元浦和レッズなど)、柴村直弥(元アビスパ福岡など)、武田英明(元松本山雅など)などその数は10人以上です。赤星貴文は、まずラトビアで活躍し、現在はポーランドのMKSポゴニ・シュチェチンへステップアップしていきました。斎藤陽介(元横浜F・マリノスなど)は、昨シーズン、スモールクラブで活躍し、トップクラブ(FKヴェンツピルス)へ移籍。UEFAチャンピオンズリーグ予選にも出場しました。ブンデスリーガ、CSKAモスクワ、フランス、ポーランド、アゼルバイジャンなど数多くのクラブが虎視眈々と彼の獲得を狙っています。

 ラトビアは、日本人に対して尊敬の念が強く、また評価が高い。旧ソ連の影響でCSKAモスクワの人気は高いので、本田圭佑の活躍に注目しているようです。ブンデスリーガ、プレミアリーグはTVでの観戦が可能なため、香川選手や岡崎選手などの活躍も知れ渡っているようですよ。

 昨年11月にラトビアサッカーの視察に現地へ行った際、FKアウダの幹部らは私を温かく迎えてくれまして、一緒にFKアウダの試合やラトビアリーグを見に行きました。そこで、日本セレクションの話を提示したんです。FKアウダの会長(レディング所属のラトビア代表キャプテン、カスパル・ゴルクシュの父親)は日本サッカーを強くリスペクトしているので、話はすぐに成立しましたよ。僕自身、「ワールドサッカーダイジェスト」で東欧ジャーナリスティックというコラムを10年担当しています。東欧サッカーの仕事をメインにしてきた私にとって、記事執筆ではなく、実際に現地のクラブの強化に携われることは非常に光栄なことです。この仕事に携われることを誇りに思います。

――FKアウダとはどんなクラブなのでしょうか?

 1969年創設され、首都リガから車で15分程度の町「ケッカバ」に本拠地を置くクラブです。育成に力を入れており、カスパル・ゴルクシュスはこのクラブから輩出されました。現在はディビジョン1(ラトビア2部リーグ)に所属しています。2013年4月下旬に開幕予定のリーグ戦では、優勝を目指すとともに、トップリーグ「ヴィルスリーガ」(VIRSLIGA)昇格を虎視眈々と狙っているようです。

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