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移籍期間終了。今から海外組になるには…

text by 編集部

森本氏がセレクションをプロデュースする意図とは?

――現地で求められる言語は何でしょうか? 英語は通じますか?

 ラトビア語が公用語ですが、若者を中心に英語を話す人は多いです。その背景は、ラトビアは経済的に非常に厳しく、ビジネスで成功するためには外資との協力が不可欠ですから、英語の学習がマストなんです。ちなみに僕が運営するFCデレン墨田も同様です。外国人とビジネスを行うことがお金を稼ぎ、生活を安定させていく唯一の手段ですから。モンゴル人の多くは、英語、ドイツ語、ロシア語、日本語、韓国語、中国語のどれかを話します。

――告知には「FKアウダのすべての行事に参加できる選手」とありますが、行事とはどんなことですか?

 ラトビアではサッカークラブはサッカーをプレーすればいいという考えが主流ですが、FKアウダは地域に愛されるクラブになるべく、地域貢献活動を積極的に行っております。地元の少年たちへのサッカースクール、サポーターとの交流会、地域の行事への参加などです。その効果が徐々に表れ、FKアウダのトップチームのホームゲームには、1000人ものサポーターがスタジアムに駆けつけ(トップリーグは200人程度、ラトビアの国全体の人口 200万人強)、熱烈な応援を展開しております。これからもFKアウダは、地域貢献活動を推進していく予定です。

――今後もこのようなセレクションをしていこうと思っていますか?

 はい。日本代表は2011年にアジアカップ優勝し、香川選手や長友選手など数多くの日本人選手がヨーロッパで活躍してますよね。そのおかげで、主にアジアやヨーロッパで日本人選手の価値が高まっており、日本人選手のニーズバブルと言っていいくらいの状況なんです。だから、今回のラトビアのように、クラブの規模が小さい場合、日本人選手が欲しくてもなかなか獲得できません。世界各国とのクラブと協力し、セレクション開催、ひいてはチームの強化に微力ながら貢献できるとあれば、全力を尽くす次第です。

 セレクション開催の理由は、もう一つあります。

 私の運営するモンゴルのクラブチーム、デレン墨田です。モンゴルの明るい未来を担う若者たちが、現在毎日トレーニングに励んでおります。最年長の選手は、今年で15歳になりました。モンゴルリーグはアマチュアであり、マイナス30度を下回る長い冬の関係でプレー期間は2カ月程度。レベルも決して高いとは言えません。が、3年連続でスウェーデン遠征を行い、デレン墨田の選手たちはヨーロッパの強豪国であるスウェーデンの同年代の子供よりも才能は同等、もしくは上回っているのが直接対決でわかりました。

 才能あふれる選手がモンゴルに残ることは、才能を潰すことを意味します。しかしながら、世界のサッカーシーンにおいて、モンゴルは全く注目されていないのが現状です。どんなに才能があってもオファーはなく、選手にチャンスは巡ってきません。

 Jリーグで活躍した、香川選手や本田選手がヨーロッパで移籍できたのは、Jリーグがレベルの高いリーグと認識されているからです。モンゴルリーグで活躍しても、モンゴル国内で称賛されるだけで、国際的にステップアップできません。

 デレン墨田、そしてモンゴルの明るい未来を担う若者たちの将来のために、FKアウダ(FK AUDA 2月8日大阪、9日千葉県、10日千葉県セレクション開催)のセレクションを成功させることが私の使命なのです。素晴らしい選手を送ることで、FKアウダからの信頼を勝ち取りたい。そしてモンゴル人選手の将来につなげていきたいという強い思いがあるのです。

 日本人選手の欲しいクラブ、日本人選手の受け皿、デレン墨田・モンゴルの明るい将来、とこの3つをうまくつなげながら、多くのサッカー人が喜べる仕組みをつくる。この目標を胸に今後も全力を尽くしていきたいと思っています。

【了】

FKアウダのセレクション日程は以下の通り。
● 第1回2013年2月8日(金)午後1時から3時まで 
  集合:12時 場所:J-GREEN堺(大阪府)

● 第2回2013年2月9日(土)午後1時から4時まで(延長の可能性あり)
  集合:12時 場所:東京大学検見川総合運動場(JR総武線新検見川駅)

● 第3回2013年2月10日(日)午後1時から4時まで(延長の可能性あり)
  集合:12時 場所:東京大学検見川総合運動場(JR総武線新検見川駅)

詳細は下記HPを参照
2013年シーズン”FKアウダ”トップチームセレクション

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