ブラジルまでの次なる航路 ~日本代表選手の証言から紐解く指標~

2013年02月08日(Fri)13時22分配信

text by 元川悦子 photo Kazuhito Yamada
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必要な国際舞台での経験値

 ブラジル戦後の香川の「フランスやブラジルのようなチームと毎月試合できる環境は僕らが望むこと。今回アウェー2連戦をやって、こういう戦いが必要だと強く感じた。アジアにいる日本には最終予選があるし、毎回欧州に遠征するのは難しいけど、強豪との対戦が増えることを願っています」という発言からも格上との対戦の必要性は明らかだ。

 強豪相手に試合経験を積めば、精神的マイナス面もクリアできる可能性があり、真の力も確かめられる。自分たちの戦い方を貫ける相手とはどこまでのレベルなのか、最終的に南アフリカの時のようにラインを下げて戦わざるを得ないのか……、今後、舵をきるための要素を試合ごとにチェックできていたのだから。

 ブラジルW杯で勝てる戦い方を定めるには、どこかで対戦するフランスやブラジルといったトップレベルの指標となる判断材料がより多く必要となる。

「南アの時は直前の強化試合に負けて、最終的に引くことになったけど、同じ道は辿りたくない。それをやったら日本代表の進歩はないと思うし、世界の強豪の仲間入りをしたいなら自分たちのサッカーを貫かないと。そこにチャレンジしていきたい」と長友は言う。ただし、本当に初志貫徹できるかどうかの答えを出すのはまだ先なのかもしれない。

 2013年夏に開催されるコンフェデレーションズカップ。ここで、スペインやイタリア、ブラジル、メキシコといった強豪国とも対峙できれば、再び大きな経験を得られ、組織力にも磨きをかけていける。ブラジル大会で上位を狙うならば、欧州や南米といったアウェーでマッチメークしていくことはW杯に向けて大きな意味を持つ。それも今回の欧州遠征によってあらためて明らかになったことだろう。

「ブラジルみたいな相手と戦って、また闘志が湧いてきた」という長友の言葉、「こういう相手を負かすためにまた頑張れるのは本当に楽しみ。点差以上の実力差はないし、自分のW杯優勝という目標は全くブレていない」という本田の言葉のように、日本代表が2連戦の結果・内容から出てきた課題をどのように糧にしていくのか、これからの個人とチームの動向次第で、1年半後の成否が決まるといっても過言ではない。

【了】

初出:サッカー批評issue59

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