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2013補強診断 11年前

2013シーズン戦力補強診断J2編 ~ジェフユナイテッド市原・千葉~

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

補強面と総合力それぞれの診断結果


ジェフユナイテッド市原・千葉 2013シーズン予想フォーメーション

 昨季の主力で移籍したのは藤田や荒田といったアタッカー陣。その穴も、ケンペス、ジャイールといったブラジル人ストライカーの獲得で埋めた。あとは彼らが勝負どころでどれだけ決定力を発揮できるかだけだ。

 ケンペスは昨季セレッソ大阪で7ゴール。前線で軸となり、点でも合わせられる。ジャイールはJ未経験ながら、11年から12年にかけてKリーグで55試合に出場し、20ゴールを記録。球離れがよく、周りも活かせる。

 彼ら二人が最後の仕上げを担うが、前線には兵働、谷澤、深井、米倉、田中といったJ1でも十分戦えそうなタレントが顔をそろえ、昨季に変わらずJ2では圧倒的。

 守備陣の顔ぶれも変わらず。昨季リーグ最少失点の堅固さは今季も維持するだろう。不安要素といえば、山口智が戦線離脱したときくらいだろうが、新加入のキム・ヒョヌンの評判も良い。

 ベースはそのままにチームを率いる新指揮官には鈴木淳氏を招へいした。こちらも実績十分で「ダイナミックさ」を加えると豪語する。


攻守両面で奮闘が期待される兵働昭弘【写真:松岡健三郎】

 昨季とベースは変わらず、攻撃のタレントもJ1並みの豊富さだ。あとはボールを保持することに満足せず、決め切る場面で決め切れるだけの決定力を身につけること。昇格プレーオフ決勝のように、ボールを保持しながら相手のカウンター一発でやられるという試合を減らすこと。そうやって勝点を積み重ね、昨季、最後まで上下動した昇格プレーオフ圏内ではなく、自動昇格圏内へと突き抜けることが今季のチームに求められることだ。

 そのためにはジャイールやケンペスらを筆頭とした新戦力の活躍がポイントだが、2月17日に行われた「ちばぎんカップ」では米倉の2ゴールと新加入のナム・スンウのゴールで天皇杯王者・柏レイソルに3対0と完勝。ジャイールは前線で起点となる働きをみせ、さらにドリブルとクロスは相手の脅威となっていた。直近に行われた韓国のチームとのトレーニングマッチでも4本計3得点0失点と順調な仕上がりを覗わせる。

 今季のJ2は未だかつてなくハイレベルを予見させるが、圧倒的なベースに上積みできたこと、そして現時点の不安要素の少なさという観点で、千葉が一歩リードしている印象である。(※それぞれA~Eランクで診断)

【了】

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