サガン鳥栖・尹晶煥監督インタビュー ~根性という名の知性~

『サガン鳥栖で体現する“90分ハードワーク”の哲学』
日韓でプロ選手として活躍し、両国のサッカーDNAを持つ尹晶煥。日本と韓国での経験は彼のサッカー指導哲学にどのような影響を与えているのか。監督に話を聞き、ハードワークで奮闘を続けるサガン鳥栖躍進の源流を探る。

2013年03月08日(Fri)10時52分配信

text by 荒木英喜 photo Kenzaburo Matsuoka
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【サッカー批評issue58】掲載

攻撃を考えたら、守備に辿り着いた


サガン鳥栖・尹晶煥監督【写真:松岡健三郎】

――現役時代、クリエイティブなプレーが印象的だった尹晶煥監督ですが、今の鳥栖における印象は守備面やハードワークが色濃いように思います。監督就任からどのように意識されていたのですか?

「現代のサッカーはどのチームを見ても、守備を重視していて、FCバルセロナの攻撃も守備からはじまります。ボールを奪わないと攻撃ができませんからね。もちろん、私は攻撃が好きですけど、そのために必要なことを考えたら、やはり守備を徹底してやらなければならないという答えに辿り着きました」

――鳥栖は堅守速攻で、ロングボールによる前に速いサッカーをする印象ですが、今のチームに一番合ったスタイルなのでしょうか?

「現状はそうだと思います。前線に背の高い選手が居ますからね。後ろからボールをつなごうとするチームもありますが、自陣でボールを失って失点することも多い。もちろん、うまくいけばいいのですが、失点してしまうとそれで崩れ、その結果、負けてしまうと無意味になる。現在はJ1なのでロングボールを多用していますが、J2だった昨年は、スペースがあるときのつなぎも悪くなかったと思います。実際にパスをつないでの得点もありました。また、相手陣内に入ることでセットプレーを得て、点を取りました。その起点として、今のウチには合っています」

 監督就任前のコーチ時代から尹監督は、守備を重視した考えを持っていたという。当時、鳥栖にS級ライセンスの研修に来ていた布部陽功氏(現柏コーチ)は、「今の鳥栖のサッカーは、当時尹さんが話されていたものに近い。そうした意味では、当時からブレていない」という。

――リードして守り切るなど、勝利を目指す姿勢が強いと思いますが?「5-4-1のシステムにすると、日本で崩せるチームは少ないですし、守り切る自信もあります。相手のパスコースを遮れば、失点することはありません。DFが5人になる分それが可能ですし、DFがカバーする範囲も狭くなり守りやすくなります。DFの前には4人のMFがいますから、さらにスペースは無くなりますので守り切れると思います。

 相手がパワープレーに出ても、ウチのCBは180㎝を超える選手が3人いるので、弾き返すことができます。こうした身体能力を生かしたやり方は韓国的な要素かもしれません。第16節FC東京戦では、2-0から5バックに変更して逆転負けしましたが、あの試合は選手のコンディションや采配にミスがありました。ただ、この敗戦がいい勉強になり、これ以降の試合で選手たちはより徹底して守るようになりました」

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