真正面からぶつかっていったガラタサライ
横綱に対して小結が立ち合いからまともにぶつかっていった――。
一言でいえば、そんな試合だった。チャンピオンズリーグの準々決勝1stレグ、レアル・マドリーvsガラタサライは、両チームの実力がそのままスコアに現れることになった。
むしろ、相手を分析して対策を立てていたのは“横綱”レアル・マドリーのほうだった。ガラタサライの右サイドバック、エブエは逆サイドからのクロスに対してボールウォッチャーになってマークを外しやすいという弱点がある。
このような弱点を策士・モウリーニョが突かないはずがない。レアルは左サイドバックのコエントランを自陣に残し、右サイドバックのエッシェンが普段以上に積極的に攻撃参加。右から作って、左で決める形を徹底的に狙っていった。
先制点は9分、右→左で生まれる。右サイドからエジルがDFラインとボランチの間の中央のスペースに入り込んで縦パスを受ける。エジルはクリスチアーノ・ロナウドが飛び出すタイミングを見計らってスルーパス。GKと1対1になったC・ロナウドが柔らかいチップシュートで決めた。
“横綱”に対し、チャンピオンズリーグレベルでは“小結”になるはずのガラタサライのサッカーは極めてベーシックなものだった。例えば、昨日のパリSGvsバルセロナのアンチェロッティ監督のように、ベッカムをサプライズ起用してロングボールを前線に入れるといった奇策をすることもなかった。
【次ページ】格上に対する戦い方としてはお粗末だった