バルサを苦しめたビルバオのサッカーはいかにして生み出されたのか(前編)

昨季のリーガ・エスパニョーラでベストゲームにもあげられたアスレティック・ビルバオ対バルセロナ。バルサに正面から立ち向かい、互角に渡り合ったサッカーはいかにして生み出されたのか。鬼才マルセロ・ビエルサのトレーニングを取材した2人のジャーナリストが対談した『欧州サッカー批評07』より一部加筆して掲載する。構成:澤山大輔 進行:植田路生

2013年04月05日(Fri)11時35分配信

text by 編集部 photo Kazuhito Yamada
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【プロフィール】
西部謙司(にしべ・けんじ)
1962年生まれ、東京都出身。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。近著に『FCバルセロナ』(ちくま新書)などがある。

清水英斗(しみず・ひでと)
1979年生まれ、岐阜県出身。プレーヤー目線で試合を切り取るサッカーライター。主な著書に『サッカー「観戦力」が高まる』(東邦出版)がある。

練習でやったプルアウェイの動きが試合でそのまま出る

バルサを苦しめたビルバオのサッカーはいかにして生み出されたのか
【写真:山田一仁】

――ビルバオのビエルサ監督について、トレーニングについての特徴はどこに感じましたか?

清水 練習の強度が高い、というのは感じました。敵がいないからペースが遅いとか、そういうことは全くなくて、すごく強度が高い。「これはJリーグの選手できるかな」っていうレベル。就任当初にビエルサがトレーニングをしていたとき、ムニアインが吐いていたらしいです。それくらい強度があるんです。

――敵がいない中でやっていてもそれくらい激しく?

西部 パススピードも早いし、運動量を要求される練習が多い。プルアウェイの動きの練習でも、それも人形が5mくらい間隔であって「1回止まって出ろ」っていう感じだから、結構スプリントがある。長い距離を走らせるパスの練習もあるし、意外ときついと思います。まぁ、すごく楽そうな練習もありますけど。

清水 試合を中心とした1週間の練習スケジュールの中で、ある程度は強度をコントロールしているんでしょうね。あと、プルアウェイの動きもそうだと思うんですけど、練習でやった動きがそのまま試合で見えるんです。何せ、正解を与えるトレーニングなので。

西部 試合で起こる動きをそのまま練習で落としているだけなんだよね。

清水 実際、一旦引いて相手を引きつけてから裏を取るプルアウェイの動きって、昨シーズンからビルバオのサッカーで多く見られる。そういうところは完全にビエルサが植え付けているんだろうな、というのはドリルを見るとわかります。パス&コントロールのドリルも、人形の裏でボールを受けるように、プルアウェイの動きが徹底して入っていましたから。

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