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バルサを苦しめたビルバオのサッカーはいかにして生み出されたのか(前編)

text by 編集部 photo by Kazuhito Yamada

駆け引き的なことはせず、休む時間が本当にない

――そういう駆け引き的なことはあまりしない

西部 しない。とにかく、ゴールへの道が空いたら行け、という感じ。休む時間が本当にない。

清水 スペインというより、ドルトムントに近いようなイメージがあります。縦にすぐ運ぶので。

西部 まあ、ちょっとやりようは違いますけどね。割とドイツ的な感じかもしれない。あんまりテンポに変化もつけないし、とにかく真面目で休みがないサッカー。相手がへばるか、自分たちがへばるかっていう勝負。

清水 ビエルサがワーカーホリックという話で言えば、オフシーズンにもめていたじゃないですか。最初はいろんな報道がされていたんですけど、「練習場を作ると言ったのに約束が守られなかった」とか。でも実際は、練習場じゃなくて自分の宿舎をクラブハウスの中に作る約束をしていたらしいですよね。通勤する時間をできるだけ短くして、その分働くと。ラテン系の方ってオンオフの切り替えをしっかりするから、そういう方ってあまりいないイメージだったけど。

西部 極端ですねラテンの方は。すごく働く人と、全然働かない人。ビエルサは、完全に前者ですね。

清水 スペイン人なんかもそうらしいですよ。よく「スペインの若者の半分が失業」というデータが出ますけど、その一方で「スペイン人の10%は働き過ぎ」っていうデータもあるらしくて。

西部 まあそれは個人差がありますけどね。

清水 ビエルサは実家が裕福で、お父さんが弁護士、お母さんが教師なんですよね。南米の中でも富裕層なので、考え方がちょっと違うのかなと思います。

【後編に続く】

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