必然だったバルサの苦戦。攻撃が停滞する要因は何か?

2013年04月17日(Wed)11時17分配信

text by 北健一郎 photo Kazuhito Yamada/Kaz Photography
Tags:

ダニエウ・アウベスの動きでわかる停滞の要因

 メッシのメッシによるメッシのためのチーム――。

 気がつけばバルセロナはそう表現しても大げさではないほどメッシへの依存度を強めていた。グアルディオラ監督は、各選手のプレーエリアや、動き方に細かく制限をかけていた。そのため、選手同士がお互いのエリアに割って入るようなことはなかった。しかし、ビラノバ監督は良くも悪くも選手たちの自主性に任せた。その結果、選手が自分のプレーしやすいエリアに留まる時間が増えた。

 メッシはスタートポジションこそCFだが、試合中は下がってきてボランチとセンターバックの間の右寄りの位置でボールを受けて中に入っていく。左寄りにはイニエスタがいて、こちらもメッシと同じような動きをする。現在のバルセロナの攻撃のほとんどが、この2人がボールを受けるところから始まるといっていい。

 彼ら2人は2、3人に囲まれても平気でかわせる打開力と決定的なプレーを繰り出す判断力がある。この2人の個の力を活かすことを考えれば、彼らに最も得意なポジションでプレーさせるのはプラスの面が大きい。一方で、バルセロナの攻撃パターンが固定化されることによるマイナスの影響も見られる。

 象徴的なのが右サイドのエリアを担当するダニエウ・アウベスだろう。昨季までバルセロナはメッシとアウベスによる右サイドの崩しが攻撃パターンになっていた。メッシが右から中に入ったときはアウベスがサイドを駆け上がり、メッシが右に張ったときはアウベスがインナーラップを仕掛ける――。2人がポジションを頻繁に入れ替えることが、バルセロナの攻撃に幅を持たせていた。

 しかし、今季はこうしたプレーがあまり見られない。メッシは中寄りの位置から離れないので、必然的にアウベスのプレーは右サイドの上下動に限定されてしまっている。アウベスが右サイドで受けても、近くに選手がいないので孤立してしまうことが多い。昨季に比べると、アウベスがゴールに絡む回数は明らかに減っている。

1 2 3

新着記事

↑top