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必然だったバルサの苦戦。攻撃が停滞する要因は何か?

text by 北健一郎 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography

顕著に見られる動きの量と質の低下

 このような現象はメッシとアウベス以外にも見られる。例えば、左MFのセスクはイニエスタが左ウィングから中に入ってくるため、プレーエリアが重なってしまう。イニエスタが中に入ったとしても、セスクが高い位置に上がったり、サイドに開いたりといった連動性があれば問題はないが、そのようなメカニズムは確立されていない。

“メッシ依存症”が深刻だと感じさせられるのが、ボールを持っていないときの動きの量と質の低下だ。バルセロナのパスサッカーの根幹は、ボールを持った選手に対して常に3つ以上のパスコースを作り出すサポートにある。だが、メッシやイニエスタがドリブルで打開することが増えたことにより、2人目、3人目が連動していくバルセロナらしいシーンが減ってしまった。

 もちろん、メッシが現時点で世界最高の選手であり、バルセロナにとって大きな存在であることは間違いない。ただ、1人の選手が突出することによって、バルセロナの持ち味が薄れているのは確かだろう。CL準決勝のバイエルン戦の1stレグは4月23日にバイエルンのホームで行われる。

 ビラノバ監督が何かしらの手を打たない限り、バルセロナはミラン戦やPSG戦と同じような大苦戦を強いられるのではないか。

【了】

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