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Jリーグ 11年前

ダービーは初の上位決戦。大宮の堅守を突き崩し、浦和がリーグ制覇へ前進する

今季まだ無敗と昨季からの好調を維持する浦和レッズ。20日には同じく好調の大宮のホームに乗り込んでのダービーが行われる。堅守を誇る大宮を、浦和の多彩な攻撃陣は崩すことができるのか? 優勝争いを占う上でも重要な一戦を展望する。

text by 川岸和久 photo by Kenzaburo Matsuoka

浦和の戦術にハマった1トップ・興梠

 浦和レッズが好調だ。2シーズン目となるミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いるチームのここまでの成績は5勝1分けでリーグ2位。新加入した選手すべてが試合に出場していることからも、補強が的確であったことが伺える。

 その中でも1トップに入る興梠が果たしている役割が非常に大きい。昨シーズンはポポ、原口がこのポジションを担っていたが、帯に短し襷に長しといったところで、チームの中での役割としては物足りないものがあった。

しかし興梠は、前線のターゲットとしてのポストプレーを含む周囲を活かすプレー、裏へ抜け出す動き出しなど、今の浦和の1トップに必要な資質をすべて備えている。ゴールがなかなか生まれないことが唯一の懸案事項ではあったが、4月14日の第6節で湘南相手に初ゴールを決めた。

「毎年1点決めたらどんどん立て続けに取れるので、これからどれだけ取れるかが、すごく自分でも楽しみ」と本人が話すように、ゴール量産への準備も整った。また、このゴールのアシストが柏木であったこともチームにとって非常に大きい。

 本来の能力を考えれば、精細を欠くプレーが目立っていた今季の柏木。だが、興梠へのアシストと、コーナーキックからの直接ゴールで、ようやくチームの勝利に貢献することが出来た。まだ本調子とは言えないが、浮上のきっかけは掴んだはずだ。

 2列目に定着しその能力を発揮している原口のドリブルに加えて、「得点王争いに絡むくらい決定機がある」と語る興梠のゴールラッシュと、浦和の太陽とも称される柏木の楽しむプレー、この2つが加われば、さらにチームが加速していくことになるだろう。

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