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Jリーグ 11年前

ダービーで完敗を喫した浦和。その要因に迫り、今後の戦いを占う。

text by 川岸和久 photo by Masahiro Ura

すぐにACL生き残りを懸けた広州戦が控える

 幸いこの試合で負傷交代した原口は打撲だけで大事には至らなかった。「この血の出方は折れてると思う」と言っていた那須だが「折れても全然できる」と本人が言うように次の試合には出場できそうである。

 ホームに広州恒大を迎える次戦は、ACLの生き残りをかけた非常に重要な一戦である。

 バリオス、コンカ、ムリキという強力なアタッカーを擁すチームとの対戦だが、前回の対戦後に「やっぱりああいう選手に対して自分達がしっかりボールを保持して、彼らをディフェンスに回すというのが最初の目的だったんですけど、もう少し余裕を持ってボールを回したりだとかできれば」と槙野が話していたように、余裕を持って回すことさえできれば、今の浦和であれば、互角以上の試合運びができる筈だ。

 心は熱く、頭はクールに、常にいつもどおりのプレーを行うこと、それこそが今年の浦和の生命線である。もちろん、それが出来なかったということが、ダービーという舞台の重さを表していると言えるかもしれないが、すでにその力は手にしているはずである。

「我々は堂々と、この敗戦というものを真摯に受け止めて、この敗戦というものからしっかりと学んで次に繋げなければいけない。サッカーというものは医学と同じように、常に学び、進歩していかなければいけないものだと思っている。我々もこの敗戦というものをしっかりと分析し、学び、今後のチームの成長に繋げなければいけないと思っている。

 敗戦というものは常にネガティブなものだけではないと私は思う。敗戦というものをプラスに変えていくものは多くある。この敗戦をしっかりと見つめ、自分たちがより前向きに、よりプラスに変えていけるように見つめなければいけないと思う。」

 試合後のミシャ監督の言葉である。この姿勢がある限り、浦和はまだまだ成長していくのではないだろうか。

【了】

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