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Jリーグ 11年前

なぜジェフ千葉はJ2で苦戦を続けるのか? 方向性なきクラブが持つ不安材料

毎年のように昇格候補にあげられながらJ2に“残留”してしまうジェフ千葉。J1クラスの戦力を有しながら、今季も苦戦している。同じ過ちを繰り返すのはなぜなのか? クラブの抱える問題点に迫った。

text by 西部謙司 photo by Kenzaburo Matsuoka

魔の30節

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【写真:松岡健三郎】

 ジェフ千葉は昇格できるか? これが本稿のテーマなのだが、実はこちらが聞きたいぐらいである(笑)。昨季はプレーオフでつかみかけていた昇格の切符を落としてしまった。ただ、プレーオフが導入されていなければ自動昇格できる順位ではなかった。

 J2は昨季から導入されたプレーオフ制度があるため、6位のチームまで昇格の可能性は残る。千葉が6位以内に入る可能性はあるだろう。しかし、プレーオフを勝ち抜けるかどうかは全く予想がつかない。こればかりはやってみなければわからず、それは千葉に限らず全チームがそうだろう。

 となると、確実に昇格するには2位以内を狙わなければならないのだが、確実に1位または2位を狙える力は残念ながら持っていない。もちろんシーズンはまだ先が長く、これから上昇していく可能性はある。ただ、例年どおりなら千葉は途中で失速する。

 毎年夏場ぐらいまでは首位争いをしているのだが、そこから必ずといっていいほど落ち込む。だいたい30節前後だ。J2に降格してからの過去3シーズン、毎年監督が代わってもこの傾向だけは不思議と変わっていない。

 千葉はJ2で屈指の選手を揃えていると言われる。しかし一方で、年齢は高めで若い選手が少ない。つまり、夏場の苦しい時期にコンディションを落としたり、故障者が増えやすく、若手の成長とともにチームも右肩上がりに強くなっていくという形にもなりにくい。J2の初年度から、昇格して当然という雰囲気があるせいか、いったん不振に陥ったときにはプレッシャーも大きくなりがちである。

 12節終了時で、すでにヴィッセル神戸との差は9ポイント、ガンバ大阪とも6ポイント離されている。千葉の順位は8位、例年どおりの落ち込みが来るとすればプレーオフ圏内も危ういといえる。

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