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代表 11年前

ロナウジーニョはなぜ落選したのか? 若手主体のブラジル代表が挑むコンフェデという“実験室”

text by 下薗昌記 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

メンバー選考から見えるコンフェデの目標

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オスカルらの若手が攻撃を司る【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 メンバー中、唯一のサプライズとなった売り出し中の小柄なアタッカー、20歳のベルナルド(アトレチコ・ミネイロ)を筆頭にオスカールやネイマール、ルーカスら攻撃陣には比較的若い選手が揃う。

 メンバー中、過去にワールドカップ本大会を経験しているのは南アフリカ組のジュリオ・セーザルとダニエウ・アウヴェス、チアゴ・シウヴァとドイツ大会を知るフレッジの計4人のみ。

 コンフェデレーションズカップでは最多3度の優勝を勝ち取っているサッカー王国ではあるが、1997年、2005年、2009年の優勝後の翌年には本大会で優勝を逃している。

 ブラジル、いやスコラーリ監督に課せられた最大の使命は2002年以来遠ざかっているワールドカップを二度目の自国開催で奪回する事に他ならない。

「ワールドカップのような大会でプレーするためにも、この若者たちをいくつかの観点から分析するためにもコンフェデレーションズカップで戦わせなければいけない」(スコラーリ監督)。親善試合とは異なる国際大会で、若手に経験を積ませ、来年の本大会に向けた見極めを行うのが最大の主眼になりそうだ。

 ただ、チームベースは既に指揮官の頭にある。欧州組で構成される守備陣とネイマールやフレッジら国内組が主体となる攻撃陣だが、スコラーリ監督が求めるのは全員守備に基づく、鋭いショートカウンター。所属クラブでは「ロナウジーニョ+10」の戦いが許されるロナウジーニョが外れたのはやはり、守備面でのデメリットも無縁ではない。

 2月の就任初戦となったイングランド戦以降、ボリビアに勝利したのみで1勝1敗3分けと低調なスタートを切ったスコラーリ体制。6月2日のイングランド戦と9日のフランス戦の2試合で、コンフェデレーションズカップ開幕戦に向けた顔ぶれが見えてくる。

【了】

ブラジル代表メンバー
GK ジュリオ・セーザル(QPR)
ジエゴ・カバリエリ(フルミネンセ)
ジェフェルソン(ボタフォゴ)
DF チアゴ・シウヴァ(パリ・サンジェルマン)
レーベル(アトレチコ・ミネイロ)
ダビド・ルイス(チェルシー)
ダンテ(バイエルン・ミュンヘン)
ダニエウ・アウヴェス(バルセロナ)
ジャン(フルミネンセ)
マルセロ(レアル・マドリー)
フィリペ・ルイス(アトレティコ・マドリー)
MF フェルナンド(グレミオ)
エルナネス(ラツィオ)
ルイス・グスタボ(バイエルン・ミュンヘン)
パウリーニョ(コリンチャンス)
FW ジャドソン(サンパウロ)
ルーカス(パリ・サンジェルマン)
オスカール(チェルシー)
フッキ(ゼニト・サンクトペテルブルク)
ベルナルド(アトレチコ・ミネイロ)
レアンドロ・ダミアン(インテルナシオナウ)
フレッジ(フルミネンセ)
ネイマール(サントス)
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