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変わりゆくJリーグとKリーグの関係性とライバルとしての今後の付き合い方

text by 吉崎エイジーニョ photo by Kenzaburo Matsuoka

韓国で最も有名なJクラブは?

 コリアンJリーガーをめぐる潮目は、05年ごろから大きく変わった。00年に大韓サッカー協会が選手エージェント試験を実施すると、一気に数十人が合格した。「合格者を出しすぎ」との批判を受けながらもヨーロッパでの活動を本格化させた。

 02年ワールドカップベスト4の実績もあり、一気に韓国選手の欧州行きの流れが開けた。国内トップの選手の行き先がJリーグからヨーロッパへと変わったのだ。

 現在は言うまでもなく、学生などアマチュアの有望株がJリーグに渡る流れが主流になっている。今季全40クラブに計26人が新たに加わったが、代表キャップが3以上ある選手は一人もいなかった。こういった現象が起きた結果、歴代の韓国人選手在籍数が多いクラブは、新進の部類に入るサガン鳥栖の11人となった。ついで2位タイは横浜FC(10人)となっている。

 そんな中、韓国で最も知られているJリーグクラブと言えば、従来から韓国人選手在籍数が多かった京都サンガ(10人=2位)、セレッソ大阪(同)、ヴィッセル神戸(9人)といったクラブだった。なかには「ウィニングイレブンをやっていたので、全クラブ名を知っていた」(元仙台のキム・ウンジュン)という猛者もいたが!

 しかし05年以降、「韓国で一番有名なJリーグクラブ」ははっきりと変わった。

 歴史上、1人しか韓国人プレーヤーが在籍していないクラブ、浦和レッズだ。取材してきた者として言い切る。近年で韓国に最大の影響を与えた“Jリーグ関連事象”は、浦和なのだ。

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