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変わりゆくJリーグとKリーグの関係性とライバルとしての今後の付き合い方

サッカーにおいてライバルと言われることの多い日韓。時代の流れと共に関係性も変化を見せている。そこには間違いなくJリーグの影響がある。韓国はJをどう見ているのか?

text by 吉崎エイジーニョ photo by Kenzaburo Matsuoka

日本とは違ったKリーグの雰囲気

 2013年とは、じっくり何かを考えるのにちょうど適した1年ではないか。ワールドカップもヨーロッパ選手権も開催されない。コンフェデレーションズカップの喧騒が起きる前の時期にJリーグ20周年という節目がやってきた。

 そんな折に、少し変化のある切り口を。“韓国との関わり合い”という観点でJリーグ20周年を見てみたい。奇しくも韓国Kリーグも今年、誕生30周年を迎えるからだ。

 まずは「Kリーグ、どうなっているの?」という点のご紹介をざっくりと。30周年の今年を改革の1年と位置づけ、多様な取り組みを行っている。今季から1部(Kリーグクラシック)14チーム、2部(Kリーグチャレンジ)8チームの2部制がスタート。

 今季の成績により、初めて入れ替えが実施される。AFCから入れ替え制度が行われてない点を指摘されたことも影響しての処置だ。ACLの出場枠(現行4チーム)を減らされる心配があった。

 改革の流れは、情報公開にも及んだ。4月、Kリーグが各クラブの韓国人選手のみの年俸総額を発表。選手平均が一番高かったスーウォン(水原三星ブルーウィングス)は2億9250万ウォン(=約2550万円)を受け取っていることが明らかになった。金額が一番低かったテジョン(大田シチズン)は一人平均570万円だった。

 人気面では八百長事件の影響もあり、やや陰りが見える点は否めない。今季の開幕節の1試合あたりの平均は、日本(J1のみ):1万7807人、韓国:1万1881人だった。日本のサポーターがスタジアムを訪れると、おそらくその雰囲気に驚くだろう。

 スタジアムDJがフルボリュームで試合中も会場の雰囲気を煽る手法が主流になっている。「さあ、みなさん拍手で選手を応援しましょう」と言ってみたり、時に応援コールを電光掲示板に表示することさえある。はっきり言うと、自然発生的に応援が巻き起こるJリーグのほうが居心地はいい。

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