混迷のインテルに振り回された長友の一年。完全復帰も手放しで喜べないワケ

長友佑都のインテルでの一年が終わった。前半戦はチームと共に好調だったものの、ケガ人が相次いだ頃から失速。長友自身も長期離脱を強いられた。混迷した一年間を振り返る。

2013年05月21日(Tue)8時34分配信

text by 神尾光臣 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography
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前半戦は好調だったインテルだが…

 前半戦のインテルは、希望に満ちていた。ミリート、パラシオ、カッサーノの3トップが全開で、チームも8連勝を挙げ一時は首位に肉薄する。新米のストラマッチョーニ監督の采配も思いのほか当たり、場当たり的に見えなくもなかった4バックと3バック併用も結果へ繋げていく。

 そして、長友佑都は左ウイングバックとして躍動。対面の相手を圧倒するスピードと運動量に加え、左足の技術も飛躍的に向上しプレイの幅はどんどん拡がる。いい意味で何をしでかすか分からない期待感が、常にあった。

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カッサーノも長期離脱を強いられた【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 それを振り返ると、後半戦の惨状には心を痛めるばかりである。自慢の3トップは、なんと全てが酷いケガを負い長期離脱。ケガ人の発生はそれだけに留まらず、スターティングイレブンすらろくに組めなくなる状況で、しかもそれを補うことが期待された1月の補強戦力はコバチッチを除いて空振りし、ストラマッチョーニも混乱に陥った。

 さらには長友も故障のトラブルに巻き込まれる。肉離れで2月の中旬まで試合に出られず、出たと思えば2月末のミラノダービーで半月板を痛め、そこから約2ヶ月掛けて復帰すればカリアリ戦での再発。ツキがなかったというより、何かに呪われていたのではないかという状況でもあった。

 結局最終節のウディネーゼ戦も、そんな後半戦の縮図のような内容になってしまった。育成型クラブのウディネーゼは、主力を放出しながらも次々選手を発掘し、その若手たちが経験を積んだこの後半戦で7連勝。そんな彼らに、カンビアッソのコンバートとプリマベーラ上がりのパーザを3CBに組み込むようなチーム状態で対応するには無理があった。

 前半10分までに0-2、1点を返した後の41分にディ・ナターレが芸術的なインフロントシュートを叩き込めば、サン・シーロの全スタンドからは拍手が上がった。衰えを見せない大ベテランの美技を素直に褒める感情半分、チームに対する皮肉が半分といったところか。

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