技術はまだバルサが上? 強かったが戦術的新機軸はなかったCL決勝でのドイツ対決

2013年05月28日(Tue)7時21分配信

text by 西部謙司 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography
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レバンドフスキはわざとミスしていた?

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レバンドフスキへの縦パスが多いドルトムント【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ドルトムントはボールポゼッションをチーム力のバロメーターにしていない。ポゼッションはほぼ一貫して低く、そもそもそれを問題にしていない。例えばバルセロナとは全く異なる考え方をしている。

 ボールを持ったらトップのレバンドフスキへ縦パスを入れ、全体が素早く押し上げる。縦への展開の速さが大きな特徴だ。レバンドフスキはキープ力のあるFWだが、それでもいつもボールが収まるとはかぎらない。縦に速い攻めはボールを失いやすい。しかし、それで構わないのだ。

 ボールを失っても、押し上げのスピードをそのままプレッシングのスピードに結びつけてしまう。場合によっては、わざと縦にミスパスを出してからプレスしているように見えるぐらい。

 攻守の意識の垣根を取り払ったプレースタイルはバルセロナの前線からのプレッシングに学んだに違いない。ただ、ドルトムントにバルセロナのテクニックとパスワークはなく、そこは運動量で勝負した。

 つないで押し込んでからプレスするのは無理なので、速く縦に展開して速く押し上げる。当然、体力は消耗するが結果的に世界一のスピードカウンターを手にすることができた。

 もし香川真司が残っていたら、2列目の構成は香川、ゲッツェ、ロイスの3人になっていたはずだから、また違った戦術になっていたかもしれない。香川が去ってロイスが来たことでスピード重視の戦略が確定したのだろう。

 来季はゲッツェがバイエルンへ移籍し、レバンドフスキの去就も定かでない。ドルトムントのチーム作りは依然として綱渡りの状況が続くと思われる。

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