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日本初公開!モウリーニョ独占インタビュー(後編)「イングランドへ行くのは最速で2016年」

text by ヴァンサン・マシュノー photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

バルサとレアルの魅力の違い

――どうしてバルサのプロ選手たちの大半は、自由にプレーしているように見えるのでしょうか。それは彼らのプレーが、力や筋肉にあまり頼っていないからでは?

「私にとってはレアルこそが魅力的で、あれ以上に美しさに溢れたスタイルがあることを、私に確信させることのできる人間は世界に存在しない。

 たしかに君のように、バルサは美しいと主張する人々はいる。

 しかし私にとってそれは退屈な議論だ。どちらが、というのではない。私は彼らを十分にリスペクトしているし、彼らのようにプレーするのがどれほど難しいかもわかっている。

 とても明確なスタイルで、選手たちの能力によく適している。オーケイ。たしかにパーフェクトだし、心から敬意を払っている。

 だが1つ言いたいことがある。チームの中核をなす選手たちを抜きにして、結果だけを見たらどうか! 主役を除外して、このスタイルでプレーしようとしている多くのチームの違いに目を向けたらどうなるか!」

――エースがいなければ、どのチームだろうと難しいのではありませんか?

「彼らについて、もはやあまり語る必要のない時期に来たと私は思う。彼らを基準に比較する時期は過ぎた。どうして彼らを話題にするのか? 

 スペインチャンピオンはバルサではない。レアルだ! 欧州チャンピオンズはチェルシーだ! 今のバルセロナは、そのどちらでもない!」

――しかしリーガを独走していて…。

「偉大なチームだし、これからまた勝ち始めるだろう。だが静かにしよう。彼らだけを持ち上げるのではなく、あらゆるコンセプト、あらゆる文化を尊重しよう。

 どうして統計的に素晴らしい成果をあげているユベントスについて、もっと話題にしないのか。イタリアはスペインとはサッカーのタイプが異なり、プレースタイルがレアルともバルサとも違っているから議論する必要がないのか!?

 私はチームを構築するとき、私の方が環境に適応する。プレミアを制覇するためにそうしたし、スクデットやリーガを勝つためにもそうした。それが達成された後に、それぞれが己の価値観で美学的な側面を評価する」

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