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日本初公開!モウリーニョ独占インタビュー(後編)「イングランドへ行くのは最速で2016年」

text by ヴァンサン・マシュノー photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

チャンピオンズリーグモウリーニョの誓い

日本初公開!モウリーニョ独占インタビュー(後編)「イングランドへ行くのは最速で2016年」
ジョゼ・モウリーニョ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

――パリ・サンジェルマンの可能性もありますが?

「可能性はどこにもある。ただ最近PSGについて質問されたとき、私はこう答えた。『パリには優れた監督がいるからモウリーニョは必要ない』と。そういうことさ」

――それで?

「可能性はない。私は自分の好きなところに行くし、今はここが気に入っている。それが真実だ」

――ならばパリのプロジェクトには触発されますか?

「パリはリスボンやロンドン、ミラノ、マドリーとは違う。どこの大都市にもビッグクラブはあるが、パリだけは例外でまだない。プラティニが構想する新しい大会(EUROの広域化)は素晴らしいと思うし、大都市にあたえるインパクトがとりわけ大きいが、パリはその中に入っていない。

 だがそれも変わっていくだろう。クラブの発展とともに、サッカーへの免疫が徐々に出来上がっていく。ちょうどチェルシーの初期に、ロマンとラニェリ、私がそうしたように。

 短期間のうちに成長させようと思ったら、巨額の投資は不可欠だ。PSGの新しいパトロンが、10年かけて勝てるチームを作りたいのであれば、それは十分に可能だ。だがもっと短い時間真3年とか4年でやりたいというならば、巨額の資金が必要になる」

――それではPSGは、今季のCLで有力な優勝候補でしょうか?

「ベスト16から先は、何が起こっても不思議ではない。準々決勝に勝てば、そこから先はオープンだ。パリにも可能性はある。ただ、今のPSGはまだ本当の意味でビッグクラブとはいえない。

 何人かのビッグスターがいる優れたクラブだ。現状はそれでいいが、レオナルドとカルロ(アンチェロッティ)が、CLに優勝するためのプレッシャーに耐え得るかどうかと問われたら、それはノンだと私は答える。彼らにはまだ時間が必要だ」

――プラティニが提唱するファイナンシャル・フェアプレーは、PSGのオーナーであるカタールの投資家にとっては大きな足かせになりますが、レアルも深刻な影響を受けるのでしょうか?

「バルセロナやマンチェスター・ユナイテッド、ドイツのクラブと同様に、逆にレアルは恩恵を受けられる。そうしたクラブでは、資金を生み出すためのあらゆる条件が整っているからだ。

 レアルでいえば、会長が比類なき能力を発揮する。その恩恵にわれわれは預かれる」

――最後にクラシコについて聞きたいのですが。

「バルサとレアルのクラシコには、世界中が動きをやめて注目する。試合を待つ間の興奮と期待感といったら…、まさにサッカーの黄金で、最高の選手たちと輝かしい歴史を持つ2つのクラブの戦いがそこにある。そう、クラシコこそはサッカーの黄金の果実だ。

 だが昨シーズンは、我々は頂きにまでは到達できなかった。CLは偶然にも準決勝でどちらも負けてしまったために、全世界が待ち望んだ決勝でのクラシコが実現しなかった。

 とても辛かったが、チェルシーの優勝には満足している。彼らのこれまでの実績を考えれば、タイトルに値するチームであるのだから」

――今季はもちろん狙っていますか?

「ここで君に誓ってもいい。決勝に進むと。だがここからは厳しい戦いだ。本当に厳しいよ」

【了】

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