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【直前プレビュー】ブラジル戦勝利への道筋は? カギを握る香川・本田ら攻撃陣の連動性

text by 河治良幸 photo by Asuka Kudo / Football Channel

ブラジルを崩すポイントは?

 日本はアタッカーに関しては、前田の1トップで2列目に岡崎、本田、香川を並べてスタートすると予想されるが、ブラジルの両センターバックと守備的MFをつとめるグスタボの間で起点を作るのは本田であっても厳しい。そこでポイントになるのは相手のCBとSBの間にあるスペースだ。

 基本的に右のフッキ、そしてネイマールとオスカルが時間帯でポジションチェンジすると思われるトップ下と左ウィングはワイドの低い位置ではそれほど守備に参加しない。日本がボールを持った時に、長友や内田が中盤の前目にポジションを取れば、相手のSBがサイドの高めにポジションを取ってくるはず。

 そうなるとブラジルの同サイドのSBとCBは一時的に分断された状態になるが、この合間を特に左の香川がうまく使い、前を向いてボールを持つ状況を作りたい。例えば遠藤がパウリーニョのプレスを手前に引き付けながら、長友とパスを交換してSBとボランチの1人を同時的に引き付ければ、左ワイドの香川に縦パスを出しやすくなる。

 そこでCBの1人が食いついてきたら、1トップの前田を“ダミー”としながら、トップ下の本田や右ウィングの岡崎、あるいは清武がタイミング良くバイタルエリア、もしくはペナルティエリアに走り込みたい。ただ、こうした攻撃は繰り返すと相手に読まれやすくなる。

「ブラジルはプレッシャーが速いですし、パスを速く前に出してというのは必要だと思いますけど、ゆっくりする時間も必要ですし、コントロールしながらやれれば」(清武)。日本としては相手のプレッシャーを得意のパスワークでいなしながらも、タイミングを見てバイタルエリアのワイドの位置を突きたい。

 ボランチのグスタボやパウリーニョは前にも横にも強いが、自分たちの背後の守備はCBとGKに任せる傾向がある。そのためオフ・ザ・ボールで3人の選手が彼らの裏を取れば、CBに対して数的優位を作り、1本のラストパスでフィニッシュに持ち込みやすくなるのだ。

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