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西野朗が展望するイタリア戦「チャンスはある。従来のシステムに戻して戦うべき」

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

固定した強さはある。従来に立ち返るべき

――イタリア戦はブラジル戦とは異なり、スタートから前田遼一を入れた4-2-3-1での戦い、オーストラリア戦のように戦うべき、ということでしょうか?

「そうですね。あの完敗は精神的なショックも大きいでしょうが、メンタルの部分だけをケアしてレベルがいきなり上がるわけではありません。システムやメンバー編成にしても、自分たちのやれることをはっきりさせる、そして一度リセットして挑むべきです。

 繰り返しになりますが、日本は変化への弱さ・脆さがあります。一時的に3-4-3を試行したりはしましたが、そこを積極的にやってきたわけではありません。今更新しい練習をしても上手く浸透させるのは難しい。それはイタリア戦に限った話ではなく、W杯へ向けて、という意味でもです。あと1年でチームとしての強みを変えるのは難しい。

 選手を固定し、その中でパスサッカーを継続してきた強さはあるわけですから、そこに立ち返る。日本の良さであるコレクティブなサッカー、アグレッシブなサッカーを出すにはどうしたらいいかを考えるとそこに行き着きます。

 イタリアもまだ仕上がりは完璧ではなく、十分にやれるチャンスはあります。自分たちのできることを強豪国との対戦で図るという意味では格好の相手です。日本の良さを出せば初戦のダメージを払拭できるような試合になるでしょう」

【了】

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