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ヌルい環境が日本代表をダメにする。メディアとファンに求められる“正しく批判”する姿勢

text by 北健一郎 photo by Kenzaburo Matsuoka,Asuka Kudo / Football Channel

求められるメディアの本質

河治 外国メディアでも批判をすることによってメディアと選手の関係性が悪くなることはあるんです。例えばウルグアイのフォルランは大会前まですごい批判を受けていたんですね。だけど、彼はコンフェデでゴールを決めて結果を出した。

メディアとファンに求められる“正しく批判”する姿勢
メディアと選手の関係性。メディアとしての本質とは【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 メディアはコメントを欲しがるけどフォルランはあまり話さなかった。本来すごく紳士的な選手なんですけど、批判されたことへの抗議の気持ちがあったんでしょう。ただ、少なくともメディアはそれを恐れない。

 話してもらえないかもしれないから……と気を使って嫌なことは書かないとなったら、メディアとしての本質を失ってしまう。フォルランが厳しい状況だったら「厳しい」と言うのは正当なことだと思う。

 僕が違和感を覚えたのは、吉田がイタリア戦でミスをした後に本人のブログに励ましの言葉が1000件以上も送られたこと。僕は自分のパフォーマンスが悪かったことは吉田自身が一番わかっていると思うし、サッカー選手なんだからダメだったときはダメだったと言ってほしいんじゃないかと思う。

 実際に吉田が0-2で負けた豊田スタジアムのブルガリア戦のあとに「アイドル歌手のライブじゃないんだから、さすがにブーイングがあってもいい」と話しているわけですから。

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