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ヌルい環境が日本代表をダメにする。メディアとファンに求められる“正しく批判”する姿勢

text by 北健一郎 photo by Kenzaburo Matsuoka,Asuka Kudo / Football Channel

批判すると出てくる「かわいそう」という擁護論

河治 もちろん、スポンサーや観客動員を考えると、日本代表チームにとって人気というのは重要な要素です。とはいえ、実際にイタリア戦のあと、吉田はあのプレーを含めた自身のパフォーマンスについて「弁解の余地もない」と語っています。

 その意味では傷に塩を塗るようではあるけど、書き手も公平に評価した上で、悪かったことは悪かったと書いていかないと。メディアとファンというのは同じようなスタンスである必要なない。

 それと、どんなときも常に応援するというファンがいることは全然いいけども、正当な理由があって批判されているときに、批判することを「許せない」とか「かわいそう」と言うのは、ちょっと視野が狭いんじゃないかなという気がします。

 今の日本代表がどうして人気があるのか? 南アフリカW杯やアジアカップで結果を出してきたからだと思うんです。もしも日本代表が全然勝てなくなってしまえば、南アフリカの前のようにファンは離れていってしまうでしょう。

 僕たちのようなメディアは人気に便乗するだけじゃなく、良いときは良い、ダメなときはダメということを言っていくことが大事なんじゃないかと思います。

【了】

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