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【松田浩の超分析】コンフェデ・日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 必死さの欠如が生んだブラジル先制点

text by 鈴木康浩 photo by Kenzaburo Matsuoka

特に危険な“クリティカルフェイズ”とは?

――この場面で改善できるとすれば、立ち上がりにフワッと入らないこと。それと、フッキを二人で挟んだときの対応ですか。

「フッキを二人で挟んだときに、もう少し強く当たって抵抗して簡単にプレーさせないこと。それと、やっぱり左サイドバックのマルセロに自由にクロスを上げさせれば矢のようなパスが通ってしまう。本田がもう少し詰めても良かったと思う。

 これが後半30分というような時間帯だったらある程度は仕方がないんだけど、この場面は、立ち上がりの5分ですよ。

 最初の5分は『クリティカルフェイズ』というんです。重要な局面。僕は前半開始5分と前半終わりの5分、後半開始5分と後半終わりの5分、それと得点でも失点でもゴール後の5分間。それをクリティカルフェイズと呼んでいる。

 失点しても相手がフワッとしていればすぐに同点にすることもできるし、逆にこっちがしょぼんと沈んでしまったら、相手が傘になって攻撃をしかけてきて、そこで失点して試合が終わってしまうこともある。だからその時間帯は気をつけないといけない」

――精神的な問題ですか。

「精神的な問題です。僕らも『5分間集中』という言い方をして伝えている。ベンチの近くにいる選手に伝えて、それを全体に伝えてもらったりする。この場面ではそのクリティカルフェイズに隙が生まれてフワッとした感じになってしまった。

 そうなってしまった理由が試合に臨んだコンディションの問題なのか、この大会の捉え方なのかは、僕にはわからないですけど」

――これでブラジルに先行された日本は難しくなりました。

「ブラジルのような相手に先制されると難しいですよ。相手にゲームをコントロールされてしまいますから」

【了】

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サッカー批評 ISSUE59

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