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【松田浩の超分析】コンフェデ・日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 基本から疎かだった守備構築

text by 鈴木康浩 photo by Kenzaburo Matsuoka

エリア内で5人が一列になるあってはならない守備

 左サイドからネイマールが切り込むシーン。ネイマールには内田がタイトに対応しているが、インサイドにいる本田が“足先だけ”の対応をして、簡単にネイマールを中へ切れ込ませていた。

 そして、ボールを受けた右サイドのダニエウ・アウベスがクロスを入れる。松田監督は「この失点シーンについては守備組織が良くない」とはっきりといった。

「(この一列になっている日本の5人は)バックライン3人とボランチ2人でしょう? この場面では遠藤までバックラインに入りに行っているんです。そうではなくて、『4と1、あるいは、3と2という形をつくれ』と僕はよく言うんです」

――それは以前話されていた、相手のカウンター時の対応と同じですね。ペナルティアークを目安にして帰って、そこで“3と1”を形成するんだと。

「それと一緒です。クロスが上がってきたときに、ディフェンスが跳ね返したとしても、こぼれ球を拾われてズドンと打たれる可能性がある。だから4と1の“1”がすごく重要になってくる」

――このときはエリア内にブラジルの選手が4人も入ってきていますが、それは構わないんですか?

「それは関係ないです。ゴールマウスの幅に合わせて3と1の形をつくる。ゾーンディフェンスの感覚がしっかりあれば、自分のポジションは味方のポジションによって決まるのだから、この場面では、吉田がボールサイドの今野の位置を見ながら真ん中にスライドすればよかったわけです。
 
 で、遠藤はバックラインに入らずに3と1の“1”に入ればよかった。でもこの場面では遠藤が2センターバックの間に滑り込んでいる」

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