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【松田浩の超分析】コンフェデ・日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 基本から疎かだった守備構築

text by 鈴木康浩 photo by Kenzaburo Matsuoka

2ラインを形成することの重要性

 そして、こうなった以上、と松田監督は続ける。

日本2失点目
黒……日本代表
赤……ブラジル代表

【ブラジル、後半3分の先制点(日本の2失点目)】
ポイントはDFラインが一列になり“3と1”あるいは“3と2”が作れていないこと

「遠藤(7)がバックラインに滑り込んだのだから、右ワイドの清武がもっと絞りながら下がって、この“1”のスペースに入って埋めるべきなんです。この場面で清武(8)は誰もマークを見ていない。だったら瞬時の判断でこのスペースに体を持っていけばいいんです。

 とにかくゴール前のこのスペースをそのときに埋められる誰かが埋めて、4と1でも、3と2でもいいから、2ラインを形成することが重要。このスペースはクロスのときに結構危ないところなんですよ。実際にこのスペースを空けていたからパウリーニョ(18)にやられてしまった」

――遠藤がここまで入ってしまった、その考えられる理由は? マークに引っ張られたのでしょうか?

「そこまでわかりません。ただ、最善の策は、吉田(22)がもっとバックラインの隣の選手とのの間を埋めること。吉田はこの選手(フレッジ(9))を警戒しているわけでしょう? でも、たとえ吉田がボールサイドにスライドしたとしても十分に下がってフレッジに競りにいけるはず。

 おそらく、このときの吉田はフレッジにマンツーマンになっている。だから今野(15)との横の距離が開いてバックラインの間が空いてしまった。そこが危険だと感じた遠藤が瞬時に戻って埋めたんだろうけど、じゃあ遠藤が中央でヘディングが強い選手と競るの? ということになる。それは違いますよね?

 もっとも、これはゾーンディフェンスではありません、ということであれば僕の言っていることはまったくの的外れなんだけど、ゾーンの感覚で言えば、ゴールマウスの幅には、センターバック2人と、ボールサイドとは逆サイドのサイドバックが絞ってゴール前に3人を配置するのが基本です。

 このときもそうだけど、センターバックの今野がボールサイドに引っ張られるときもあるから、そのときはボランチが下がってバックラインに入って埋めて、逆サイドのワイドミッドフィルダーが中に絞って、ペナルティアークのところで“1”を形成する」

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