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日本代表 11年前

日本代表が強豪国との差を埋めるために――。本田が語った“フィニッシュ”の本当の意味

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「僕らがこれを正しいと思ってるんですから、このやり方を貫く」

 大量失点のきっかけになったフォルランの1失点目に関して、ラインを高く上げてオフサイドを取りに行った吉田の判断が物議を醸している。が、本田は後輩の勇気あるプレーをむしろ高く評価している。

「スアレスはリバプールでやってますけど、マンチェスター・ユナイテッドやシティとか強豪クラブとやってもああいうチャンスを作りますから。最後のところで守ってるだけで、ああいうシーンはあるんです。

 僕らはフォルランに最後決められましけど、あそこでスライディングに行って何とか守ることが大事。全然ビビらずに前へ行ってた麻也を僕は誇らしい。麻也は責任を感じて反省したと思いますけど、悲観する必要はない。

 これだけ失点してるから、引いて守るという話が出るのかもしれないけど、引いたら引いたで(ブラジル戦の)ネイマールみたいに前で奪って決められるでしょ。やられたからって、『じゃあ次、引こうか』っていうのはナンセンス。

 僕らがこれを正しいと思ってるんですから、このやり方を貫く。その信念を曲げずに続けることだと思います」と彼は改めて語気を強めた。

 本田が言うように、日本がラインを下げずに勇気を持って前に出続けるのであれば、得点力を飛躍的に向上させるしかない。攻撃のミスを減らし、奪ったボールを確実にゴールチャンスにつなげ、得点を決めきる勝負強さを養うべきだ。今の日本代表はフィニッシュに至る前のボールロストやミスが多すぎる。そこは彼自身も認めるところだ。

「奪った瞬間のビルドアップは正直、日本人正直は下手やなとは感じます。たぶんディフェンスで疲れてるんでしょうね。僕もあんまりディフェンスに行きたくなかったりするけど、そこがスペインとの差なのかなと感じます。

 日本は調子のいい時はいいつなぎができるんですけど、相手の勢いに負けるというか…。ボールを奪った時点で勇気のあるプレーをポンポンってやれれば、次の世界が開けるんでしょうね」と。

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