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酒井宏樹は日本代表SBの序列を覆せるか? シャルケ戦で見せたハノーファーでの進化に迫る

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

ピンチだった立ち上がり

 実は立ち上がりの3分、酒井にとって大きなピンチがあった。同サイドの中盤に位置するシュティンドルがボールを持つと、酒井は思い切ったダッシュで追い越しパスを引き出した。しかし、シュティンドルから出されたボールは鋭いリカバリーを見せたドラクスラーにカットされてしまう。

 シャルケにとって最初にして最大級のカウンターチャンス。ドラクスラーから中央のゴレツカに通り、さらに裏を狙うジョーンズにスルーパスが放たれたが、ハノーファーの右センターバックを担うマルセロが何とか体に当てた。そこからジョーンズ、ゴレツカと並走しながらも間一髪、ボールをアウトサイドに蹴り出したのだ。

 シュティンドルとの連帯責任とはいえ、ここで失点してシャルケに流れを掴まれれば、戦犯にされてもおかしくない場面を味方に救われた。しかし、この日の酒井が素晴らしかったのは、しっかり守備をこなしながら、積極的な攻撃姿勢を失わなかったことだ。

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