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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。ロナウジーニョの母国復帰を実現させたトラフィック社

12才の少年に代理人がつくことも

 ロナウジーニョのフラメンゴ移籍に関しては、トラフィックは早い段階から交渉に立ち会っている。ロナウジーニョの兄である代理人のアシス(元コンサドーレ札幌!)から、移籍交渉の席上で肖像権の管理をトラフィックに任せるという話が出たという。

その約束通り、移籍決定直後にトラフィックはロナウジーニョに対して4社と個人契約をまとめている。

 トラフィックありき、の移籍だったのだ。

 放映権、マーケティングに加えて、トラフィックが力を入れているのは代理人業である。 2001年の時点で86人の選手と代理人契約を結んでいる。

 次々と新しい才能を生み出すブラジルでは、代理人業は、いかに早くから目を付けるか、の勝負となっている。

 メッシのように13才でバルセロナFCがスペインに連れて行く例もあった。ブラジルでは将来有望な12才の少年に代理人がついていることもある。トラフィックでは、ブラジル全土で8人のスカウトを抱えている。

 彼らの強みは、放映権ビジネスにより映像資料を持っていることである。

 主要各州リーグに加えて、ブラジルの各年代の代表、アルゼンチン、コロンビア、ウルグアイ国内リーグの試合映像の代理権を保有している。こうした映像資料を分析して2人の人間が将来有望な選手をピックアップしている。トラフィックのスカウト網はもはやブラジル国内だけでないのだ。

 世界のサッカー工場、これが今のブラジルをはじめとした南米大陸の実像である。

【この項・了】

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