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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。ロナウジーニョの母国復帰を実現させたトラフィック社

近年のブラジルサッカーを語る上で、外せない企業がある。スポーツマーケティングに携わるトラフィック社だ。放映権料や代理人業で成功し、クラブや選手の価値を上げるのに一役買っている。そしてあのロナウジーニョの母国復帰にも大きな影響力を持っていた。

適当だった観客数がまともになったワケ

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適当な観客数がまかり通っていたブラジル【写真:田崎健太】

 かつてブラジルでは公式入場者数の発表はかなり杜撰だった。

 正確な入場者数を計測するシステムが存在しなかったこともある。また、入場料金はてっとり早い現金収入である。税制上、正確な収入を知られたくなかったこともあるだろう。さらに言えば、現金は様々な“操作”に使用する資金にもなる。

客が入っているように見せたいと考えていた、かつての日本のプロ野球とは違った理由で、長らくブラジルでは適当な観客数がまかり通っていた。

 そのブラジルのサッカーも変わりつつある。

 今年のブラジル全国選手権では詳細な有料観客数が発表された。この連載で触れたように、ブラジルでは、州選手権と全国選手権という2つの大会がある。サンパウロやリオ・デ・ジャネイロ州のクラブにとっては“2つ”の主要な大会の1つであり、それ以外の州のクラブにとっては全国に名前を売ることが出来る、最も大切な大会だ。

 その大会の平均観客数である。

 1位 コリンチャンス 2万8954人
 2位 フラメンゴ 2万6806人
 3位 グレミオ 2万848人
 4位 クルゼイロ 2万105人

 2万人を超えているのはこの4つのクラブのみである。この他ではサントスが11位で1万3727人。サンパウロの主要クラブで最も人気のない、ポルトゲーザでは3108人に過ぎない。

 サッカークラブの収支では、観客収入は、テレビ放映権、スポンサー収入と並んで3つの柱だ。その意味でこの数字はかなり寒いものと言えるだろう。

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