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日本代表 11年前

「どうして守備の話をクローズアップしているか分からない」。本田が語る攻撃的なスタイルを貫きたい理由

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「自分はチームメートに恵まれてる」

 劣勢に陥った日本は1点を追いかけたが、本田自身も香川→柿谷とつながってゴール前に飛び込んだ29分の得点機を決められない。相手に何度かカウンターを繰り出され、嫌なムードに陥った。ガーナの頭抜けた身体能力の高さを彼自身も再認識したようだ。

「正直、身体能力のところは世界レベルかなと感じました。こっちのプレーを読まれたり、フィフティフィフティになったりするとどうしても差を見せつけられてしまう。だからといって勝てないわけじゃない。

 タイミングよく仕掛けられれば、相手を抜くことも抑えることも可能だから。ただ、そのレベルに慣れてる選手、慣れてない選手が見受けられましたね。

 物理的にそういうレベルでやっていくのが難しい選手もいますけど、今日感じたスピードを忘れないように意識して取り組んでいくことが大事なんじゃないかと。普段から完璧をどれだけ目指していけるかなんだと思います」と本田は意識と経験次第で身体能力の差を埋められると考えているのだ。

 18時間をかけて強行移動してきたガーナの運動量が後半になって落ちたこともあり、香川が開始早々の5分にペナルティエリア外側から技ありゴールを決め、やっと同点に追いつく。試合の流れを変えてくれた香川の決定力の高さを本田は素直に褒めた。

「真司のゴールはすごいなと率直に思った。僕自身もああいうゴールを取れれば年間15点を超える選手になれるなと思います」と。

 この一撃で本人も刺激を受けたのだろう。遠藤保仁の後半19分の2点目を絶妙のヒールでアシストし、27分には遠藤のFKを本田自身がヘッドで叩き込んだ。

「前半の決定機を外した後はちょっと焦っていたんですけど、そうは言っても試合は続く。できるだけ多くのチャンスをクリエイトすることにもう一度、強引に戻しました。外したのはしょうがないと。そういう中でああいういいボールが来た。自分はチームメートに恵まれてるなと思います」と彼は3試合連続ゴールをお膳立てしてくれた仲間に感謝した。

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