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堅実な守備では高評価も攻撃には課題。今、内田篤人に求められていることとは何か?

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

内田の貢献度をはかるポイントとは?

 14日のマインツ戦ではヘーガーから内田がパスを受けた時点で、ファルファンがボランチのモリッツ、ボアテングがセンターバックのノベスキにマークされていた。

 1トップのシャライがボアテングと相手センターバックの裏で受ける動きをしたため、内田はタイミング良くパスを出そうとしたが、ファルファンのマークを捨てて体を投げ出したモリッツにカットされた。

 シャルケのスタイルではサイドバック、とりわけ右の内田がいかに攻撃陣の動きを見極め、的確なパスを出すかが得点のカギとなる。もちろん直接クロスで得点をアシストできれば目立つが、その前の段階にこそ内田の攻撃面での貢献度をはかる指標があるのだ。

 ステアウア戦ではおそらくルーマニア代表の主力を張るタナセがマッチアップの相手となり、左サイドバックのラトブレビチも厄介な存在だ。しかし、内田には彼らを封じ込めるだけでなく、柔軟なビルドアップと好機を逃さない攻撃参加で、勝利に貢献することを期待したい。

「大事なのは周囲とのバランス」と強調する内田。守備面での貢献度の高さには定評があるが、そこに攻撃のプラスアルファを積み重ねることで、チームの信頼をさらに高めることができるはずだ。

【了】

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