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日本代表 11年前

いよいよ開幕ビーチサッカーW杯。ラモス・ジャパンはタヒチで“日本旋風”を巻き起こせるか?

text by 河治良幸

カギを握るのはロシアとの初戦

 ラモス監督は日本代表の選手たちを「サムライ」と表現して信頼するが、試合の中で特に意識がバラバラになってしまった時の脆さも認識している。体力面は7月末の沖縄合宿からサッカー日本代表の早川直樹コンディショニングコーチが帯同し、36分間を走り切る持久力を身に付けてきた。

 制限の無い選手交替も、試合が止まる度に選手が入れ替わるラモス監督独特の戦法が浸透しており、体力の見極めに定評のある早川コーチの目も大きな味方になる。ただ、だからこそベンチにいる選手もピッチの選手と同じ様に、試合に集中していなければならない。もし交替で入った選手が一瞬でもリズムを壊せば、それは致命傷になってしまうのだ。

 全員で勝利を狙う上でカギを握るのは若い松田と松尾那緒弥だ。松田は日本人離れした体の強さが売りで、松尾はチームでも1、2を争うスピードと細かいテクニックで海外の選手を翻弄できる。彼らが持ち前の能力を発揮できれば勝利に貢献できること間違いないが、なにしろ初の大舞台となるだけに、スタートからトップギアで入り、勢いをチームにもたらしたいところだ。

 前回優勝のロシアは強い。しかし、ポルトガル遠征でスペインに勝利するなど、強豪にも怯むことなく接戦を演じてきた日本がベストの力を発揮できれば、絶対に勝てない相手ではない。目指すのはもちろん勝利だが、ラモス監督は「ここで好勝負をできれば、残る2試合で勝利できる」と確信する。

「第1回もそうだし、なでしこの女子W杯を見ても、勝ち進めば注目が集まることは分かっている」と河原塚キャプテン。時差19時間のタヒチで日本旋風を吹かせることができれば、“日出る国”にもその風は届くはずだ。

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