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序盤戦での出遅れ、ダービーも完敗だが――。マンU・モイーズ監督が現地メディアに支持されている理由

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

消極的な采配には指摘も

 しかし、アウェイであっても、優勝候補との直接対決で、しかも地元ライバルを相手に、劣勢のまま引き下がることなど許されないユナイテッドでは、「教訓」としてメディアに指摘された。

 ベンチには、前線を活性化する駒として香川真司がいた。ピッチ上には、交代させるべき選手もいた。左ウィンガーのアシュリー・ヤングは、相手左サイドのサミル・ナスリに、運動量からして劣っていた。

 CFとして先発したダニー・ウェルベックを左サイドに回し、香川をトップ下にいれてルーニーを最前線に押し上げていれば、最終的にはユナイテッドで唯一人、敵に牙を剥き続けたルーニーの脅威が増していたかもしれない。ヤングは51分に交代となったが、後半の頭から積極策を講じるべきだった。

 もちろん、交代前の後半6分間で2点を追加されるとは、モイーズも思っていなかったに違いない。但し、代わりに投入されたのはトム・クレバリーだった。ベンチのMF3名の中では、最も守備的な選手。

 逆転勝利ではなく、大敗回避を意識したと思わしき采配は、ユナイテッド監督としての「反省材料」として、やはり指摘された。

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